(※写真はイメージです/PIXTA)

年金の支給開始は65歳ですが、受け取る側からすれば60歳から75歳までの15年間で、いつでも好きな時から受け取り始めることができるということができます。セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典氏が著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

仕事も仕事以外も人生は60歳からが面白い

▼苦労してでもやった方が良いこと

 

髙橋:ありがとうございます。次に、定年後に起業や独立する場合のことをお聞きします。再雇用と違って大きく環境が変わり、やはり最初は苦労すると考えておいた方がいいのでしょうか?


 
大江:苦労するかしないかで言えば、間違いなく苦労すると思いますね。ただ、苦労してもそれを上回るだけの楽しさがあることも事実です。例えば、テニス部やサッカー部に入ってる人が練習でグランドを走るのはしんどいですよね。

 

でもそれをやると足腰が強くなって、いいプレーができ、試合に勝てるからやるわけでしょう。テニスやサッカーが好きだからこそ辛い練習でもするわけです。それと同じなんですよ。

 

そして起業すると苦労するんではないかと、みなさんリスクを必要以上に気にするんですけれども、定年後の起業っていうのはリスクなんかないんです。だって最低限の生活は年金があるわけですから、どんなことがあっても食べていけなくなることはないんですよ。

 

ただし借金をした場合は違います。例えば何か事業を大きくするために銀行からお金を借りたり、あるいは人を雇ったり規模を大きくしようとしたり、そういう場合はリスクがありますよ。だけど、それはリスクの大きいことが駄目だって言ってるわけじゃなくて、そういうことを覚悟の上でリスクをとる場合は、それはそれで大いにやりなさいっていう話なんですよね。

 

髙橋:そうですね。好きなこと、自分に合っていることを仕事にすれば、苦労しながらでも楽しくやれるんですね。

 

大江:好きを仕事にするっていうことは大事だと思いますよね。

 

それには自分はこういうことやりたという、コンセプトみたいなものをはっきりと決めることが大事になりますよね。

 

髙橋:ありがとうございました。最後にこれから定年を迎えられる方、定年を迎えていろいろ悩まれている方に向けてメッセージをいただけるでしょうか?

 

大江:はい、わかりました。一言でいいますとね、定年後は楽しんでください。これがすべてです。仕事でも仕事以外でも。人生は60歳からが面白い。だから、サラリーマンの方はようやく刑期を勤め上げたわけですから、あとは自由なことをして楽しんでください。

 

髙橋:大江さん、たいへん参考になるお話、本当にありがとうございました。

 

経済コラムニスト 大江英樹さん
1952年、大阪府生まれ。野村證券を定年退職したのち、オフィス・リベルタスを設立。行動経済学、資産運用、企業年金、シニア向けライフプランなどをテーマとして、執筆やセミナーを行う。近著の『知らないと損する年金の真実』(ワニブックスPLUS新書)、『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)、『定年前』(朝日新書)ほか、著書多数。

 

髙橋 伸典
セカンドキャリアコンサルタント

 

 

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※本連載は、髙橋伸典氏の著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

髙橋 伸典

日本能率協会マネジメントセンター

この一冊で定年後の不安を払拭! 定年後の3大リスク(お金/仕事、孤独、健康)に対し、具体的に乗り越える方法を提示。定年後、どのようにすればいいか不安を抱えている人に贈る指南書です。

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