※画像はイメージです/PIXTA

対象となる会社の同意なしに買収を仕掛ける「敵対的買収」。そもそも敵対的買収を仕掛けられる会社は、どのような会社なのでしょうか。みていきましょう。

敵対的買収の事例

国内で実施される買収の多くは友好的買収です。しかし中には、敵対的買収が行われるケースもあります。過去に行われた敵対的買収についてあらましを解説します。

SBIの新生銀行に対する敵対的TOB

SBIは新生銀行に対し、最大48%の株式取得を目指し敵対的TOBを実施しました。新生銀行は買収への反対を表明し防衛策を講じています。このとき採用した防衛策は『ポイズンピル(毒薬)』と呼ばれるもので、SBI以外の株主に新たに発行する株式を取得させるものでした。この防衛策が成功すれば、敵対的TOBの成功は難しいものとなっていたでしょう。

 

しかしこのとき、新生銀行の大株主である国が防衛策に反対しました。防衛策を推し進めても否決される可能性が高いため、新生銀行はSBIが経営方針や事業戦略を尊重することを条件に買収に応じています。

コロワイドの大戸屋に対する敵対的TOB

経営陣を大きく変え、社内体制もがらりと変化させて効率化を実現したのは、コロワイドによる大戸屋への敵対的TOBです。『牛角』『かっぱ寿司』『甘太郎』など、宴会利用が多い飲食店を展開するコロワイドにとって、日常の食事を提供する大戸屋は、規模のバランスもよくぜひ獲得したい会社でした。

 

そこで敵対的TOBを実施しますが、大戸屋は反発します。しかし最終的にはコロワイドが株式の46.77%を取得し、敵対的TOBが成立しました。

成長戦略として行われる敵対的なM&A

合意なしに行われる敵対的買収に対し、日本企業はあまり好意的な印象を抱いていません。唐突な乗っ取りと考え、猛反発するケースもあります。しかし敵対的買収の目的は乗っ取りではなく、企業の成長です。目標を達成し企業価値の向上を目指しています。

 

ただし攻撃的なイメージのある敵対的買収は受け入れられにくく、ホワイトナイトやクラウンジュエルなどの防衛策を講じられます。買収自体は成功しても、経営上のリスクの判明や、人が離れていく事態も起こり得るでしょう。敵対的買収への対策として有効なのは、株式を割高にすることです。まずは専門家に計算してもらってPBRを確認し、自社の株式が割安か確認しましょう。

 

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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