がむしゃらに頑張る「熱血社員」が会社を潰してしまう納得の理由とは (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載では、人気YouTubeチャンネル「魚屋の森さん」の運営者で、IT企業から実家の魚屋の後継者へと転身し、新しい視点でSNSをビジネスに効果的に活用している森朝奈氏が、著書『共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得』から、経営における「共感ベース」の仕事術や発想法について解説します。

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事業を始めるときは自分の手を離れる前提で考える

このことに気づいてから、何かを始めるときは、いずれ自分の手を離れる前提でやり方を考えるようになりました。会社として仕事を動かしていくためには、「今」だけではなく「先」を見る視点も必要だということを学びました。

 

事業をつくることは、チーム全体で目標に向かうこと

仕事をするうえで本当に難しいのは、チームをつくることではなく、維持することです。たとえば「月給100万円!」といえば、メンバーはすぐに集まるでしょう。でもその約束を1カ月しか果たせなかったら、あっという間に解散です。

 

会社を存続させるために必要なのは、目先の100万円で盛り上げることではありません。継続できる範囲で支払える金額を提示し、それをチーム全体で増やしていく方法を考えていくことなのだと思います。

 

チームとして持続可能な形をつくっていくためには、自分のアツい部分は極力抑える必要があります。かといって、チームへの思いがなければ、スタッフの共感も得られないし、自分のモチベーションも保てないし……。

 

『冷静と情熱のあいだ』という小説がありますが、私の課題は、まさにこれ。自分の中の「青い炎」にジリジリあぶられながら、チームが求めるほどよい着地点はどのあたりなんだろう? といつも悩んでいます。

プロセスを共有することで考えるチームをつくりたい

仕事の上で父から学ぶことは山のようにありますが、ある部分では父を反面教師にしています。父は、社長である以前に職人です。会社が現在の規模まで成長しても、チームづくりの基本は「情」。スタッフは「ん?」と引っかかることがあったとしても、「社長がそう言うならしょうがないか」と協力してくれます。

 

でもそれは、創業者としてのカリスマ性もある父だからできることです。どう頑張っても私にはまねできないので、自分なりのチームづくりを目指すしかありません。その際、反面教師となるのが父なのです。

 

これまでは「トップダウン型」。社長である父が考えて判断し、決定事項を社内に伝えるスタイルでした。でも私は入社した頃から、決定するまでのプロセスも見せてくれればいいのに、と思っていました。

 

だから私は、自分が見たもの、聞いたもの、新しく得た知識は、できる限りスタッフにシェアするようにしています。「こうなりました」「こうしてください」と結論だけ伝えるのではなく、プロセスをチームで共有したいのです。

 

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    株式会社寿商店 常務取締役

    愛知県名古屋市出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、楽天(現・楽天グループ)へ入社。その後、父親が創業した、鮮度抜群の魚介が地元で評判の「寿商店」に24歳で入社する。
    現在は常務取締役として、市場での仕入れから下処理・加工、取引先への卸し、飲食店の経営に奔走。魚好きが集える場所としてのYouTubeチャンネル「魚屋の森さん」などのSNSや、ファミリーサロンの運営を行い、魚食と水産業のファン拡大に努める。
    好きな海の生き物はくじらで、入社後につくった寿商店ロゴのモチーフに使用。
    好きな見た目の魚は金目鯛、味は太刀魚。

    YouTube:魚屋の森さん
    Twitter:@asana1220
    Instagram:@asanamori
    寿商店HP:http://www.s-kotobuki.co.jp/

    著者紹介

    連載 IT企業から魚屋へと転身した人気「YouTuber」が大切にする「共感ベース思考」とは

    共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得

    共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得

    森 朝奈

    KADOKAWA

    SNSでストーリーと信頼をシェア。「共感」からすべてが始まる! 代々鮮魚卸を営む一家に育った著者。女性が極端に少ない魚業界へ家業の2代目として飛び込み、YouTubeやSNSで「思い」をシェア。「魚好き」とつながりながら、…

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