IT企業出身のYouTuber「魚屋の森さん」がSNSの活用で実現したスピード感のある仕事

IT企業出身のYouTuber「魚屋の森さん」がSNSの活用で実現したスピード感のある仕事
(※写真はイメージです/PIXTA)

人気YouTubeチャンネル「魚屋の森さん」の運営者で、IT企業から実家の魚屋の後継者へと転身し、新しい視点でYouTube、SNSをビジネスに効果的に活用している森朝奈氏が、著書『共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得』から、経営における「共感ベース」の仕事術や発想法について解説します。

SNSのすべての投稿に目を通しているワケ

SNSの投稿は「リモート接客」と位置づけ

SNS部での私のおもな役割は、各店舗の投稿へのフィードバックです。どんなにていねいに基本を教えても、実際に始めてみると予測できなかったようなことも起こります。そういった点については、個別にクリアしていくしかありません。そのため、私はすべての投稿に目を通し、気になる点があったら担当者と直接やり取りして修正・改善するようにしています。

 

「写真に、スタッフの連絡先が書かれた住所録が写り込んでいるけど大丈夫?」なんてトラブル防止のための指摘をしたり、あまりにも映りが悪い料理の写真に対して「……この写真、おいしそうかな?」と、センスも大切であることをにおわせたり。修正するべき点を放置したまま様子を見てもうまくいくことはないので、細かくチェックしています。

 

もちろん、修正が必要な投稿もあれば、すばらしい投稿もあります。よい投稿については、SNS部を超えて全社に紹介しています。お客さまの反応がよかったもの、予約などのアクションに結びついたものなどは、実際の投稿のスクリーンショットを撮って画像を共有。実物を見られるようにしておくことで、他店の担当者の参考にもなるからです。

 

各店舗からの情報発信については、まだまだ苦労しているところもあります。でも地道にフィードバックを続けることで、確実に投稿の質が上がってきているように思えます。よい形で情報発信をしていくことは、常連さんを増やすことにもつながります。スタッフには、「投稿は“リモート接客”なんだよ」と伝えています。

SNSの活用で実現したスピード感のある仕事

料理人のような専門職ではない私は、会社の「なんでも屋」でもあります。入社して以来、業務内容は着々と増加。あちこちでやらなければならないことがあるため、それぞれの担当者とはLINEでやりとりすることが多くなっています。

 

LINEでは業務ごとにグループをつくっています。現在、私が加わっているのは、社内のものだけで61。数が多いのは、グループを細かく分けているからです。

 

たとえば店舗のスタッフとのグループも、店舗ごとに「社員」と「パート・アルバイト」で分けています。社員を経由せずにパートやアルバイトのスタッフとつながる場を設けているのは、現場の声をスムーズに届けてもらうためです。

 

業務連絡などは社員経由で行えばよいのですが、すぐに判断する必要があるけれど社員が不在だったり、社員に聞いても結局は私の決裁が必要だったりすることもあります。そんなときは、私に直接聞いて解決することができるわけです。

 

また、私は仕入れ中の市場から「今日の金目鯛はいいよ!」といった情報と写真を送ることがあります。パートやアルバイトのスタッフにとっては、情報の内容が同じであっても、出勤してから社員に業務連絡として言われるより、市場の様子がリアルタイムで届くほうが手ごたえがあると思うのです。

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共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得

共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得

森 朝奈

KADOKAWA

SNSでストーリーと信頼をシェア。「共感」からすべてが始まる! 代々鮮魚卸を営む一家に育った著者。女性が極端に少ない魚業界へ家業の2代目として飛び込み、YouTubeやSNSで「思い」をシェア。「魚好き」とつながりながら、…

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