(※写真はイメージです/PIXTA)

介護保険は自分が申請しないと利用することができません。イザとなったらまず要介護の認定を受けるために役所に申請しなければなりません。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『老人入門 いまさら聞けない必須知識20講』(ワニブックスPLUS新書)で解説します。

イザとなったら要介護認定を受ける

■いざというときどうすればいいのかだけは知っておこう

 

どういう介護サービスを受けるにしろ、まずは要介護の認定を受けなければいけません。

 

要介護認定をもらうためには役所に申請をしなくてはいけません。

 

介護保険料は40歳になれば自動的に健康保険料とともに払わされ、年金をもらうようになるとそこから天引きされますが、65歳を過ぎて病気になり困ったとしても、役所からはなにもいってきません。介護保険制度は本人が契約して選ぶ制度ですから、自分や家族が申請に行かないとなにも動き出さないのです。

 

「足をケガしていて、家族もいなかったらどうするんだ」

 

そういう自分から動けないような場合でも、各自治体にある「地域包括支援センター」というところに電話すれば、訪問してくれるそうです。

 

まだまだ元気な自分には関係ないと思っていても、なにがあるかわかりません。制度やどこに相談したらいいかぐらいは知っていて損はないでしょう。

 

老いを自覚するたびに、「自分はボケるのではないか」「病気になるのではないか」と、予期不安が強まる方が多くいます。ところが、予期不安は強いのに、その割になぜか備えをしません。

 

ではどうするかといえば、不安な現実から目を逸らしてしまいます。

 

すると「私はボケない」という信念ができあがります。何度も言いますが、人間は老いるとボケます。程度の差はありますが、ボケていくのです。

 

転ばぬ先の杖である介護保険のことは、65歳になったら勉強しておくべきでしょう。

 

ところがたいていの場合、病気やケガで動きが悪くなってから、介護保険を申請します。「どんなサービスを利用したいですか」と支援者に聞かれても答えられない高齢者が多いとも聞きます。デイサービスという言葉は知っていても、どんなデイサービスがどこにあるのかも知りません。

 

そのために、すべてケアマネージャーさんにお任せになってしまいます。

 

不安があるなら、自分に何かあったときに「こういうふうにしたい」という計画を立てておくべきではないでしょうか。こんなデイサービスに行きたい、ヘルパーさんに何をしてもらうかなどを考え、こちらから希望するサービスを提供してもらうのです。

 

介護保険制度が措置から権利となったと書きましたが、どうもまだお上から与えられる福祉という感覚が日本人には残っているようです。

 

まずその感覚から抜け出してください。

 

和田 秀樹
和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 


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