(※写真はイメージです/PIXTA)

範囲が限定された勉強をする場合、鉄則ともいうべき進め方があります。それは理解を二の次にして、はじめは20%程度の記憶でいいから、スピードを優先してできるだけ早く全範囲の勉強を終わらせて、それを繰り返す方法です。記憶力日本選手権大会6回の最多優勝者の池田義博氏が著書『世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

要約のワンフレーズを記憶しておく

(3)サマリーリーディング

 

何かを覚えるときには、そのままの形で覚えるのでなく、自分なりに形を変えると記憶能力がアップするというお話をしました。心理学的には、「精緻化」という方法です。

 

精緻化により、脳にとっては、最初に情報をインプットするときにインパクトとなり、記憶が強化されるというしくみです。要するに、その情報に対して思考をどのくらい深く関わらせたかが、記憶の強度を決めることになります。

 

本や資料などのテキストを読み込むというとき、情報の形の変え方にはいくつかありますが、ここでは「要約(サマリー)」を使います。オリジナルの文章の内容を自分で要約することで形を変える、つまり、精緻化できるというわけです。

 

テキストの量によって要約のエリアを決めますが、あまり細かく分けると意味がなくなりますので、本で例えれば、項や章くらいの量ごとに行うことをお勧めします。1つのエリアを読み終わったあと、しばらく頭の中で内容を反芻します。紙にメモを取りながらでもOKです。

 

そして、このサマリーリーディングの一番のポイントをお伝えします。

 

内容を抽象化して、最終的にそのエリアの文章を象徴する言葉を“1つだけ”見つけるということです。論理的に導き出した言葉でも、連想で出てきた言葉でも結構です。とにかく、一言に集約する作業自体に抽象化思考が含まれています。それが強い精緻化となって、記憶が強化されることになります。

 

また、要約して読んでいくだけでも記憶には残りやすくなりますが、この要約のワンフレーズを記録しておくことも、あとになってからとても役に立ちます。

 

本や資料などを読み込んだすぐあとなら問題はないのですが、かなり時間が経ってから急にその内容を参照する必要が出てくることがあります。概要的なイメージは頭に入っているのですが、詳細な内容が必要となり、中身から情報を検索しなければならないといった状況です。

 

そんなときに、この抽象化したワンフレーズの記録があれば、自分で具体的な内容を抽象化したという経緯があるので、どの辺りに必要な情報があるかを容易に探し出すことができるというわけです。

 

池田 義博
記憶力日本選手権大会最多優勝者(6回)
世界記憶力グランドマスター

 

 

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本連載は池田義博氏の著書『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

池田 義博

日本能率協会マネジメントセンター

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