1.4人で高齢者1人を養う未来…「一億総中流」終幕後の日本社会はどうなるのか?

1.4人で高齢者1人を養う未来…「一億総中流」終幕後の日本社会はどうなるのか?
(※写真はイメージです/PIXTA)

「働き方改革」という言葉も浸透しつつあるなかで、私たちの「働き方」は今後どのように変わっていくのでしょうか。世界史の面白いネタを収集するブログやYouTubeチャンネルを運営し、歴史ライターとして活動する尾登雄平氏が、著書『激動のビジネストレンドを俯瞰する 「働き方改革」の人類史』(イースト・プレス)から、世界各国が歩んできた労働の歴史と、日本における働き方の未来について解説します。

 

労働者にとって過酷な国へ…

企業に所属せず、プロジェクト単位で契約する働き方が普通になり、スキルの高い労働者は高い報酬を得ます。しかし常に労働市場の中で戦うことになるので、最新の技術を学び、自分の市場価値を高める努力をし続け、社内外で自分を売り込む必要があります。

 

このような働き方が合っている人は、周囲から評価され高い報酬を得ることができるでしょう。しかし、専門的なスキルがなく、新たなフィールドで自分を売り込むことが苦手な人は、低賃金・長時間の労働に追いやられてしまうかもしれません。

 

日本が長期的な衰退期に入っているのは間違いありません。イノベーションが生まれず、人口は減り続け、経済も停滞。「一億総中流」と言われた比較的平等な社会という過去の栄光を羨望しながら、大きい貧富の格差の中で生きていかざるを得ない。常に「自己責任」を強いられる、労働者にとって過酷な国になるのかもしれません。

 

このような個の働き方は日本だけではなく、OECD加盟国でも一般的になっています。中国や韓国のように、日本ほど社会保障が充実していない国では、人々は子どもの教育費や老後の生活費を稼ぐために必死で働きます。今後主流になるサバイバル社会に慣れている国であるとも言えます。これから私たちは、彼らのような個の能力が高いグローバルの人材と戦わなくてはいけないわけです。

 

個人が知恵と能力で戦う、「完全な平穏のないサバイバル社会」。

 

それが良いか悪いかという評価は別にして、これが近未来の社会の姿に近いのではないか。私はそう考えています。

 

激動のビジネストレンドを俯瞰する 「働き方改革」の人類史

激動のビジネストレンドを俯瞰する 「働き方改革」の人類史

尾登 雄平

イースト・プレス

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