むし歯は子どもに多い印象がありますが、それは一体なぜなのか、そしてむし歯予防のためにはどんな点に注意すればよいのでしょうか。子どもの歯の特徴やむし歯の治療、日常生活で心がけたい歯みがきのポイントなどについて、中村希美歯科医師にお聞きしました。
なぜ子どもは「むし歯」になりやすい?歯科医が教える予防のポイント、9つ

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【ポイント1】むし歯になる原因を知る

子どものむし歯を減らそうという運動は以前から続いています。そうした取り組みが功を奏し、3歳と12歳の調査ではむし歯の割合が減っているという調査があります。

 

子どもがむし歯になる原因はいくつかあります。

 

まず、生え替わる前の「乳歯」は永久歯に比べて柔らかいため、食事や口内環境の影響で溶けやすい、つまり「歯の質が弱い」という特徴があります。また、歯の厚みも永久歯に比べると半分ぐらいなので、いったんむし歯になるとすぐに進行してしまいます。

 

そもそもむし歯とは、むし歯菌が出す酸が歯の表面のエナメル質を溶かしてしまうことで起こりますが、甘いものなどを多く食べると口の中でむし歯菌が活動しやすい状態になります。

 

そのため、甘いものを食べることが多い子どもはむし歯になりやすく、さらに口の中に違和感があってもそれを表現できないために発見が遅れてしまう場合があります。

 

【ポイント2】子どもの歯の異変をチェックする

むし歯は歯の表面に起こってもその時点では感覚はなく、神経に近いところまで進行すると痛みを感じるようになります。子どものむし歯は進行が早いため、できれば親の目でチェックして、早めに子どもの歯の変化に気づくことが大切です。

 

たとえば歯が白く濁って見える場合は初期のむし歯の可能性があり、黄色っぽい場合は歯石がついている可能性があります。

 

それ以外にも食べるペースがいつもより遅くなったとか、口の中を気にしてよく手を入れている、調子が悪そうで機嫌が悪いなどの徴候があり、むし歯の危険性があると思ったら、自己判断は避けて歯科医院を受診しましょう。

 

【ポイント3】むし歯の疑いを放置しない

むし歯が疑わしいのにそのまま放置してしまうと、痛みもだんだんと強くなります。そして硬いものを噛めなくなったり、甘いものや酸っぱいものがしみたりするため、それらを避けがちになり、偏食にもなりやすいのです。

 

長く放置して歯がぼろぼろになり、口の中で「崩壊」という事態が起こると、周りの歯にも影響を与えますし、痛くて噛めないままだとあごの発達も促されないため、成長にも支障が出てしまいます。

 

乳歯だから放っておいてよいということはありません。むしろ乳歯だからこそ、生え変わりの時期が来るまできちんとそこにとどめておかないと、永久歯の歯並びが悪くなることもあります。

 

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