※画像はイメージです/PIXTA

龍谷大学文学部臨床心理学科の水口政人教授は、企業の上司・部下1,000人を対象に世代間ギャップに関するアンケート調査を実施しました。本記事では、調査の内容を紹介し、同調査が示した上司と部下が「世代間ギャップ」を感じる原因とその解決策を解説します。

 

「世代間ギャップが生まれる理由」上位5つの解決策

・「常識」の考え方が違う(上司2位/部下4位)

・年齢が違う(上司4位/部下1位)

・生まれ育った時代背景が違う(上司5位/部下3位)

 

これら3つは、たとえば部下が「この会社は自由だ」と認識して社内で自由に振舞う。しかし、上司はそれをみていて、「普通は、こういうことしないよ」とか「これは、常識でしょ」などといわれたという場面で世代間ギャップを感じるということでしょう。これらを解決するには、初めから組織のルールを明確にして、認識がずれないようにすることです。

 

上司であれ部下であれ、人にはマイルール(過去の知識や経験、年齢や育った環境、常識など、それぞれが持つ思考の癖)があるため、当たり前の認識は皆違います。ルールでしてはいけないこととしてもよいことを分ければ、解決できるはずです。

 

・コミュニケーションにすれ違いがある(上司3位/部下5位)

 

これを感じる原因は2つあります。ひとつ目は、社内に曖昧な表現が使われてしまっていることです。たとえば、上司が部下に「本日中にレポートを出してください」と指示を出したとします。上司の認識は定時18:00。部下の認識は本日23:59ということも考えられます。また、入社間もない社員が前職のルール(翌日出勤前まで前日対応とする)を持ち出して、翌朝9時に提出するケースもあるでしょう。つまり、本日中の定義は当日18時~翌朝9時の範囲で認識がずれます。

 

このような場合は、完全結果(期限と状態)で、指示を出すことが必要です。正しい指示は、「本日18時までにレポートを提出してくださいです」こうすれば、期限が明確なため部下は集中できます。

 

2つ目は、曖昧な役割が原因です。これは、たとえば、業務が滞っていても「それはAさんの責任だ」「いやBさんの責任だ」と、それぞれが自分の責任ではない認識してコミュニケーションを図ろうとしないことです。

 

まずは、各社員の役割を明確にしましょう。誰に責任があるのかはっきりさせるのです。そのうえで、好き嫌いや相性などを理由としてコミュニケーションを取らない場合は、出た結果で正しく評価して役割を外れてもらうか、コミュニケーションを取らなくても役割を果たせるような調整が必要となります。

 

本来、風通しのよい組織(コミュニケーションが円滑な組織)とは、部下からの「事実情報」を元に上司が役割を果たすための意思決定ができ、部下が迷わない明確な「指揮命令」がスムーズにできる組織のことです。

 

 

本田 務

株式会社識学

東北営業所 係長 シニアコンサルタント

 

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