(※画像はイメージです/PIXTA)

年末調整・確定申告を控え、この時期、保険に加入している人のもとに、保険会社各社から「控除証明書」が届きます。これを機に保険の見直しをする方も多いと思いますが、実のところ、本当に必要な保険と、多くの人が加入している保険との間にはギャップがあります。本記事では、医療保険よりも優先順位が高い、働けなくなるリスクに備える2種類の保険「所得補償保険」「就業不能保険」について解説します。

「所得補償保険」と「就業不能保険」

働けなくなったときをカバーする保険には2種類あります。「所得補償保険」と「就業不能保険」です。

 

ただし、これらはよく似ていますが、守備範囲が異なるため、人によって必要性に差があります。特に、個人事業主・フリーランスか、サラリーマンかによって大きく異なります。

 

どんな人にどの保険が向いているのかということについて、大まかな考え方の方向性を示すと、

 

・個人事業主・フリーランス:所得補償保険と就業不能保険の両方

・サラリーマン:就業不能保険のみ

 

ということになります。どういうことなのか、それぞれの保険について、補償・保障内容と向き・不向きについてお伝えします。

 

◆所得補償保険

所得補償保険は、医師からドクターストップがかかった場合に、その仕事を休業する日数に応じた給付金を受け取れるものです。医師から「働くな、療養せよ」という指示があれば、入院か自宅療養等かは問いません。

 

給付金は「月10万円」「月20万円」などと月単位で設定でき、それを1ヵ月30日で換算した「日割り」で受け取る形になっています。

 

ただし、「4日間」「7日間」などの「免責期間」が定められています。療養を必要とする状態がある程度長引いたことを前提としているといえます。

 

なお、保険会社によっては、特約を付ければ女性の妊娠・出産等にともなう身体障害(重度のつわり、切迫早産等)による休業もカバーされます。

 

所得補償保険をおすすめするのは、個人事業主・フリーランスの人です。なぜなら、個人事業主・フリーランスの場合、働けなくなったら即、収入の道が途絶えてしまうことが多いからです。

 

これに対し、サラリーマンの場合には、所得補償保険の必要性はそこまで大きくないといえます。なぜなら、先述の通り、「傷病手当金」の制度があり、働けなくなった場合に給与の約3分の2を最大1年6ヵ月間受け取れるからです。

 

◆就業不能保険

就業不能保険は、所定の就業不能状態に陥った場合にお金を受け取れるタイプの保険です。単体の保険として販売されているものと、「収入保障保険」等の生命保険に特約として付けられるものがあります。

 

所得補償保険と同様、給付金は「月10万円」「月20万円」などと設定できますが、所得補償保険と大きく異なる点は、医師からのドクターストップよりも重い状態になって初めて保険金を受け取れるということです。

 

対象となる就業不能状態は保険会社・商品により異なりますが、障害等級や要介護度等に関する一定の要件が要求されています。たとえば、「要介護2以上、または障害等級3級以上」などです。

 

サラリーマンの場合、働けなくなって最初の1年6ヵ月は給料の3分の2の傷病手当金を受け取ることができますが、それが終わったら、障害年金の支給を受けることになります。この障害年金は傷病手当金よりも金額が低く、あくまでも最低限の保障にとどまります。そこで、足りない分を就業不能保険でカバーするという活用法が考えられるのです。

 

これに対し、個人事業主・フリーランスの場合、所得補償保険は給付金を受け取れる期間が最長で2年間までのものが多いので、それが終わったら就業不能保険でカバーするという活用法が考えられます。

 

このように、同じ「働けなくなったときをカバーする保険」であっても、所得補償保険と就業不能保険とでは守備範囲が微妙に異なるため、個人事業主・フリーランスとサラリーマンとで必要性や向き・不向きが異なります。

 

どの保険にもいえることですが、考えられるリスクと、その場合に社会保障制度等によってどの程度カバーできるかということを軸として、本当にその保険が自分に必要かどうか見極めることをおすすめします。

 

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