(※写真はイメージです/PIXTA)

「眼瞼下垂」は、その名の通りまぶたが下がってきて目が見にくくなる病態のことである。発症頻度が高い疾患のため、悩まれている方も多いだろう。「美容医療国際職人集団」と言われるJSAS会員であり、高須克弥医師の孫弟子にもあたる医療法人美来会理事長、九野広夫医師。九野氏は、美容医療の他院修正専門医院を立ち上げ、これまで数多くの不幸な医療事故や医療過誤を目にしてきた。本連載では九野氏に、従来のハイリスクな全切開(挙筋短縮術や前転法)ではない、「非切開式次世代の眼瞼下垂治療法」および「切開瘢痕の(メスを用いない)新治療法」について解説いただく。

三日月形の皮弁切除を行わずに眼瞼下垂を治療した例

全切開をせずに治療した開眼度に左右差のある若年性眼瞼下垂症例

症例:30歳女性

 

他院手術歴:なし

 

御希望:体重が減少したきっかけで、眼が開きにくくなってきた。以前より左側が開きにくいが、この際に両方とも眼瞼下垂を治したい。

 

当院治療法:両側完全オーダーメイドZ形成目頭切開LEVELⅢ&当院オリジナル新挙筋法4点固定法

 

治療合併症:内出血・炎症(発赤・熱感。・腫脹)・線維化等、ごくまれに糸露出・感染・後戻り・麻酔アレルギー等

 

 

Dr.コメント:

この症例は、生来の眼瞼下垂兆候(特に左側)があったものの、痩せたことがきっかけで眼瞼下垂が進行した方です。

 

蒙古ヒダのツッパリが明らかで、上眼瞼にクボミと僅かなタルミが認められていますが、傷跡を目立たなくさせる目的と同時に(特に左側内側の睫毛の挙上度を確保する目的で)オーダーメイドZ形成デザインを(蒙古ヒダの裏側mm以下単位で)施しました。

 

左内眼角の上下方向に蒙古ヒダが放物線状に存在しているため、従来(他院)ならその放物線に沿った三日月形の皮弁切除をされてしまう様な典型例ですが、それだと瘢痕拘縮のため却って眼瞼下垂が悪化します。当院では傷跡を目立たなくさせる命題と牽引を上手く解除することを同時に満たす、彼女の左瞼の特性に最適な曲線Zデザインを施し、その通りに切除して新挙筋法の開眼効果と連動させています。

従来とは比較にならない医師の技量が必要とされる

ここで最も重要なのは、当院の新挙筋法のオーダーメイドデザインは瞼平面上の折り畳み位置のみならず、折畳ませる位置と方向と深さ、開閉眼の動きまで個別にデザインに反映し、必要時には左右で異なる4Dデザインを行っているため、医師側に要求される技術の幅と高さが(従来の埋没法と比較にならない程の水準で)要求されるという点です。

 

従来の単純な4点固定(瞼板)法とも挙筋法とも文字通り次元が異なります。今思えばですが、それは開発者責任と他院で失敗されてきた患者さまたちの痛切な思い、そして他の医師ではそう簡単にできないからこその使命感が無ければ、辿り着いていなかった技術だったのかも知れません。

 

 

九野 広夫

医療法人美来会 理事長

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