米国では利上げがハイペースで進み、固定金利はサブプライム問題が表面化する直前の水準を超えました。不動産不況のニュースがささやかれるなか、賃貸オーナーにとってはむしろプラスとストラテジスト・浅井聡氏はいいます。それはなぜなのでしょうか。その真意と、不動産不況がいわれる米国不動産市場で、いま狙うべき物件についてみていきます。

安すぎも高すぎもNG…ピンチに強いのは「中の上」

このまま高金利が続くと、住宅価格の伸びは止まり、いずれ頭打ちになるかもしれません。しかしそれは賃貸物件オーナーにとって、賃料アップのチャンスとも言えるのです。

 

ただし、すべての物件が賃料アップできるわけではありません。たとえば、市場で最も安価な小型の物件で賃料を上げるのは難しいでしょう。ローン金利上昇により賃貸に流れてくる人々は、住宅購入を諦めたとはいえある程度の可処分所得があります。賃貸で我慢する分、それなりの部屋に住みたいはずです。最も安価な物件は候補に入りませんから需要が増えず、賃料も上げられないのです。

 

また、高価すぎる物件も同様です。こうした物件は、いつでも住宅購入できる資産がある人々が、何かの事情であえて借りているものです。ですから、ローン金利がどう動こうと需要にはあまり影響がないのです。

 

結局強いのはどんな物件かというと、中の上くらいの価格帯で、持ち家にも借家にもできるスペックの物件です。この価格帯の物件は、住宅購入を諦めた人たちも手を出しやすく、かつ設備グレードも満足できる水準であることから、賃料上げのトレンドに乗りやすいと言えます。さらに、景気が上向いた際には持ち家用として売却できるという利点もあります。

 

こうした物件を保有していれば、住宅が売れにくい不況下では賃料上げによりインカムゲインを増やせて、景気が上向き売買市場が活気づいたタイミングで売却することでキャピタルゲインも最大化できます。

 

今から買うにはもう遅いかと問われることもありますが、供給が少ない今のタイミングであえて突っ込むというのも、投資の選択肢としてはありだとお答えしています。供給の少なさは、価格上昇要因の1つだからです。物件価格はすでに上昇していますが、これ以上の上昇も見込めますし、今なら賃料収入も安定しています。

 

「ピンチはチャンス」というとチープに聞こえますが、経済に歪みが生じているときにこそ商機があるのは事実でしょう。今のアメリカ不動産市場をバブル崩壊前夜と見るか、チャンスと見るか、投資家の知性と胆力が問われています。

 

 

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