(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、事業の再編、業務提携、事業承継等の場面で「M&A」が活用されるようになってきています。しかし、会社法の規定を読むと複雑で、何が何だかよくわかりません。そこで、M&Aの方式を4つのパターンに分けてイメージしやすいよう整理し、それぞれが機能する場面と効果について、わかりやすく解説します。

 

パターン4. 親会社を設立する(ホールディングス化)

4つ目は、親会社を設立する「ホールディングス化」のパターンです。

 

既存の株主が保有する株式がすべて親会社に移転して、既存の会社が新たな親会社の100%子会社になります。その代わりに、既存の株主が親会社の株主になります。これを「株式移転」といいます(会社法772条~774条)。

「株式の議決権の3分の2の確保」が重要な理由

本記事で紹介したM&Aの多くは、以下の手続を踏まなければならないことになっています。

 

・株主総会の特別決議

・債権者(取引先・顧客等)を保護するための手続き

・反対株主の株式を買い取る手続き

 

特に要注意なのが、内部での最終意思決定として「株主総会の特別決議」(会社法309条2項)が必要だということです。株主総会の特別決議を成立させるには、議決権の3分の2の賛成が必要です。株式会社でよく「株式の議決権の3分の2を確保すべき」といわれる理由は、M&Aに関すること以外にも、会社の重要事項を決めるには、この株主総会の特別決議が要求されていることが多いからです。

まとめ

このように、M&Aは、「売り手」の会社の視点からみると、大きく4つのパターンに整理できます。また、対価が金銭なのか株式なのかという違いにより、M&A後の経営への関与の有無等が異なります。

 

M&Aを検討する際は、本記事の記載内容をもとに、将来どのようにしたいのか考え、それにもっとも合致した方法を選ぶことをおすすめします。

 

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