(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、事業の再編、業務提携、事業承継等の場面で「M&A」が活用されるようになってきています。しかし、会社法の規定を読むと複雑で、何が何だかよくわかりません。そこで、M&Aの方式を4つのパターンに分けてイメージしやすいよう整理し、それぞれが機能する場面と効果について、わかりやすく解説します。

 

パターン2. 他の会社に吸収される

2つ目のパターンは、他の会社に吸収されることです。「吸収合併」といいます(会社法749条~752条)。

 

これについても、株主が対価として金銭等を受け取る場合と、吸収先の相手会社の株式を受け取る場合とに分かれます。

 

株主が対価として金銭を受け取る場合、経営からは完全に離れることになります。これに対し、吸収先の相手会社の株式を受け取る場合は、株主として間接的に経営に関与することになります。

 

なお、他の会社と合併して完全な新会社を作る「新設合併」という方法もあります(会社法753条~756条)。しかし、端的に吸収合併をすればより手間がかからず目的を達成できるので、実際には活用されていません。

パターン3. 特定の事業部門を他の会社に買収してもらう

3つ目は、特定の事業部門のみを他の会社に買収してもらうパターンです。

 

これも、会社が対価として金銭等を受け取る場合と、売却先の会社の株式を受け取る場合とに分かれます。

 

会社が受け取る対価が金銭の場合は「事業譲渡」といいます(会社法467 条~470条)。これに対し、売却先の会社の株式を受け取る場合を「吸収分割」といいます(会社法757条~761条)。

 

「事業譲渡」の場合は、会社は、対価として金銭を受け取る代わりに、その事業部門の経営から完全に離れることになります。これに対し、「吸収分割」の場合は、売却先の会社の株主として、その事業部門の経営に間接的に関与することができます。

 

なお、既存の事業部門を引き継ぐ新会社を、他の会社とともに新設する「新設分割」という方法もあります(会社法762条~766条)。しかし、これは実際には活用されていません。なぜなら、新しい会社が設立されたあとで、その会社に対して吸収分割をすればよいからです。

 

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