
莫大な資産を保有する日本の富裕層は、近年大きく変わった……海外移住のサポートを行い、これまで2万人を超える富裕層をみてきた大森健史氏は、そう実感しているといいます。いまどきの“シン富裕層”の実態とは? 今回は、暗号資産であっという間に「億り人」になった人たちを中心にみていきます。
「資本投資+暗号資産」併用タイプも
暗号資産のみで大金を手にしたシン富裕層は、「④暗号資産ドリーム型」に分類できますが、中には「②資本投資型」で、かつ暗号資産で資産を増やしたというタイプの人もいます。
商社勤務で、海外に駐在し支社長を務めていた40代後半の男性は、年収2,000万円ほどで、仕事の傍ら株式や債券などの運用をしていました。それに加えて、長年持っていたビットコインが20億円になったので会社を辞めて海外でリタイア生活を送りたい、という希望があり、筆者のところに相談に来られました。
投資は好きなので今後も投資活動をしつつ、まだ小学生から未就学児の子どもが3人いるため、今後の子どもの教育環境についても考えたいとのことでした。
そこで今後に複数の可能性を残すために、アメリカとポルトガル、ドバイと、3カ国で投資家ビザを申請しました。
彼の持っていたビットコインが20億円にまでなったのは、やはりラッキー要素が強めではありますが、投資好きというだけあって、暗号資産の研究にも熱心でした。
2013年頃からビットコインを購入し始め、2014年に起きた「マウントゴックス事件」でも被害に遭ったそうです。マウントゴックス事件とは、当時世界最大級のビットコイン交換業者であったマウントゴックス(Mt.GOX)社のサーバーが、何者かによってハッキングされ、同社のビットコインと預かり金の大半が流出してしまったというものです。
しかしこの方はこの事件を乗り越えてその後もビットコインやアルトコインを買い進め、20億円にまでなったということです。
この元商社マンと同じタイプで、年収3,000万円の、青森県の40代男性開業医もいました。同じく投資好きで、ビットコインが20億円ほどになり、リタイアして投資に専念したいということでした。彼はオーストラリア、マルタ、タイの3カ国で投資家ビザを取得しました。
個性的な人が多い「暗号資産ドリーム型」…衝撃の失敗談
「④暗号資産ドリーム型」の人たちは、まさに「シン富裕層」として個性的な人が特に多いのですが、衝撃の失敗談を聞いたことがあります。「暗号資産のウォレットのパスワードが、間違っていないはずなのに開かなくなってしまって、2億円がなくなったんですよ」というものです。
「だから大森さん、パスワードって絶対に忘れちゃいけないんですよ」というアドバイスをされ、その常人離れぶりに「そりゃそうだろう」とうらやましさ半分で苦笑いしたものです。

日本のシン富裕層
なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか
大森 健史 著
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大森 健史
株式会社アエルワールド
代表取締役
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