写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、最新のM&Aの動きをみていきます。

10大財閥の一角、AMC…上場セメントメーカー統合

 

フィリピン10大財閥の一角のサンミゲル社(SMC)は、オーナーであるラモンS.アン氏が事業を統合する中、970億ペソの取引を通じて関連会社のEagle Cementを統合することを計画しています。

 

SMCは証券取引所提出書類で、同社の取締役会と関連当事者取引委員会が、上場セメントメーカーであるEagle Cementの88.5%を1株あたりP22.02の価格で買収することを承認したと発表しました。これは、EagleCementの10/4終値である1株あたりP15.40に43%のプレミアムを乗せた価格です。SMCはまた、EagleCementの少数株主に対して株式公開買付けを実施します。

 

Ang氏は、SMCの社長兼最高執行責任者(COO)を務めています。SMCは、食品、飲料、電力、インフラストラクチャーにまたがる事業を展開するフィリピン国内最大級の企業の1つです。Ang氏は、息子のJohnPaulAng氏が社長兼CEOであるEagleCementの会長も務めています。開示の中で、取締役会はSMCの経営陣に対し、Angが所有する支配株主であるFarEastHoldingsInc.を含むEagleCementの株主と交渉し、株式購入契約を締結することを承認しました。

 

SMCは、特別利害関係者であるラモン・アンとジョン・ポール・アンの両氏が「提案された買収に関する取締役会による承認には参加しなかった」と述べています。

 

なお、本ディールは、フィリピン競争委員会の承認が必要となります。

財閥オーナー・ラゾン氏、ガス田を買収

 

フィリピンエネルギー省は、マランパヤ深海プロジェクトにおけるShell Philippines Exploration BV(SPEx)の45%の株式を、フィリピンの大物実業家であり財閥オーナーのRazon氏が主導するPrime Infrastructure Capital,Inc.の子会社に売却することを承認しました。

 

エネルギー省(DoE)は、PrimeI nfraが技術的、財政的、法的にマランパヤガス発電プロジェクトの運営者として適格であるとしました。このディールにより、SPExはPrimeInfraの完全子会社になります。

 

SPExはPrime Infraの一部門として、西フィリピン海のパラワン島の北西に位置するマランパヤプロジェクトをカバーするサービス契約(SC38)に基づいて、引き続ガス田開発を行います。オイルメジャーであるシェルグループは、フィリピンでの上流の石油採掘事業から撤退することになります。

 

Prime InfraのEnrique K.Razon,Jr.会長は、ルソン島の電力需要を支える生産を維持するために、できるだけ多くのガスを生産するためにできることをすべて行うとしています。

 

Prime Infraは、SPExの事業譲渡の移行プロセスが完了すると、11月1日にマランパヤの完全な所有権を取得することになります。ちなみにマランパヤは、現在ルソン島の総電力需要の最大20%を供給しています。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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