あなたも低栄養かも。まずは食事記録から始めよう
近年歯科では顕微鏡を使った精密な治療が普及し、治療成績が飛躍的に向上するようになりました。しかしその反面どうしても一回の治療時間が長くなり、それに耐えられない人をどうするかが問題になってきました。Aさんがその一人です。
振り返ってAさんの初診時のことを思うと、何か助けを求めている目つきだったような気がします。何か言いたくても、どうしたらいいのかもわからなかったのかもしれません。
しかし地道な食事の改善によりキャンセルが減り、90分ほどの治療時間にも耐えられるようになりました。
また良い治療結果を導くには患者さんがいかにコンスタントに歯をキレイに磨けるかが鍵になりますが、体調不良や不定愁訴があればやる気もおきず、歯磨き指導も徒労に終わります。
もちろん患者さんはこのような事実を知りませんので、こちらであらかじめ当たりをつけなくてはなりません。血液検査の結果は、それを知る重要な手がかりともなります。現代社会には大きな人的ストレスがあるうえに、新型コロナウィルスという未知の脅威が加わり、それに耐えられるだけの栄養状態にない人が顕在化したように思えます。
低栄養は副腎疲労以外にも、様々な不定愁訴・精神疾患・女性疾患などの治療を、さらに難しくしている可能性があります。
そのためたとえば不妊治療では、並行して栄養療法による鉄やビタミンD値の改善を進めているところがあり、懐妊に導けたケースはとても多いと聞きます。
ただしそれは単純に栄養素を足せば良いというものではなく、胃腸機能改善やストレス対策と並行して行わなくてはならず、一筋縄では行きません。
さていかがでしたでしょう。低栄養は便利な現代社会に根ざした、隠れた大きな問題ですので、誰にでも当てはまる節があります。
それを知るにはまず、今日から食事記録を録ってみることをお勧めします。そこにあなたの体や心を作る原材料は入っていましたか? 忍び寄る《低栄養》の足音が聞こえてきませんでしたか?
お心当たりのある方は健診などの血液検査データーを持って、栄養療法にも詳しい専門家の診断を受けてみましょう。きっと良いことがあるはずです。
吉田 格
吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック 代表
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