悪質な「マッチポンプ商法」とその対処法
「マッチポンプ」という言葉は、「意図的に問題を起こし、それを自ら解決することで利益を得る」「自作自演によって自己の評価を上げる」といった意味で使われます。
本記事においては、Googleマップなどの口コミサイトにおいて、ある店舗にあえて低評価の口コミを投稿したうえ、ダイレクトメールなどの手段によって、当該店舗に対し、低評価の口コミを削除する旨の広告を打ち、自ら投稿を削除することによって報酬を得るような商法を「マッチポンプ商法」と呼ぶこととします。
近年、Googleマップなどの口コミサイトにおいて、マッチポンプ商法が疑われる投稿が多くなされています。また、SNS上などでも、マッチポンプ商法が疑われる投稿があったことの報告が数多くみられます。
マッチポンプ商法は、病院、歯科医院などの医療機関の口コミ欄で行われることが多いようです。
それでは、マッチポンプ商法が疑われる投稿がされた場合、これに対処する手段はあるのでしょうか?法的な対処法は、大きく分けて2つあります。
法的な対処方法1.「削除請求」
法的な対処法の1つ目は、記事の削除請求を行うことです。
記事の削除請求を行うためには、サイト管理者に削除依頼を出して削除してもらう方法と、裁判所に削除命令を出してもらう方法があります。
裁判所に削除命令を出してもらうためには、当該記事によって、名誉権などの人格権が侵害されているといえる必要があります。
サイト管理者に削除依頼を出して削除してもらう方法の場合も、サイトの利用規約などの内容にもよりますが、基本的には、記事がなんらかの権利を侵害していることが必要です。
また、いずれの場合でも、記事を削除してもらうまでに相当の時間がかかります。
法的な対処方法2.「損害賠償請求」
法的な対処法の2つ目は、マッチポンプ業者に対して損害賠償請求を行うことです。この場合、「マッチポンプ業者が当該記事を投稿した」といえる証拠を収集する必要があります。
その証拠を収集する方法として、まず考えられるのが、発信者情報開示請求手続を行うことです。この発信者情報開示請求手続を行うことが、いわゆる正攻法といえるでしょう。
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