「なんでお金が減ってるの!?」「それは…」会社の資金の動きがスグわかる〈キャッシュフロー計算書〉の基本

「なんでお金が減ってるの!?」「それは…」会社の資金の動きがスグわかる〈キャッシュフロー計算書〉の基本
(※写真はイメージです/PIXTA)

企業の財務諸表のなかでは、比較的地味な存在である「キャッシュフロー計算書」ですが、企業の保有する現金が増減した要因を読み取れるなど、会社の資金繰りの状態を知ることができます。キャッシュフロー計算書の仕組みと役割について、経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

貸借対照表・損益計算書・キャッシュフローの関係性

貸借対照表の資産の部は、現金とそれ以外に分けることができます。負債と資本が一定だとすると、現金以外の資産が増えれば現金が減り、現金以外の資産が減れば現金が増えるわけですから、それがキャッシュフロー計算書に反映されることになります。

 

負債が減れば、それが銀行借入であれ売り手からの借金(買掛金)であれ、現金の減少要因となります。負債の返済のために現金を使った、と考えればわかりやすいですね。一方で、負債の増加は現金の増加要因となります。

 

銀行から借金して金庫に入れた場合はわかりやすいですが、買掛金の増加が現金の増加要因になるのは少しわかりにくいかも知れません。ここでは、仕入れはすべて現金で行なったが、同時に売り手から借金をしてその分を金庫に入れた、と考えておきましょう。

 

もっとも、買掛金の増加が実際に現金を増加させるとは限りません。現金で材料を仕入れれば、材料の在庫が増えて現金が減ります。借金をすれば現金と負債が増えます。両方を同時に行なったのが「ツケでの仕入れ」であり、結果が在庫の増加と買掛金の増加であり、現金は増減しないからです。

 

純資産が増えれば、これも現金の増加要因となります。貸借対照表は左右がバランスしているので、現金以外の資産が増えない限り、純資産の増加は現金を増加させるはずですが、具体的には利益が出れば現金が増えるというのが基本です。

 

利益のうちで配当された分は現金の増加につながりませんが、それはキャッシュフロー計算書で配当金の支払いという項目に記載されます。利益が出なくても新しく株式を発行して資金を集めれば現金が増えますが、それはキャッシュフロー計算書では株式発行収入として財務キャッシュフローに記載されます。

 

今回は以上です。なお、本稿はわかりやすさを優先していますので、細かい所について厳密にいえば不正確だ、という場合もあり得ます。ご理解いただければ幸いです。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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