(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

香港は自動車関連が大幅続落。本土は方向感を欠く展開

ハイテク比重の高いハンセンテック指数は前日比1.92%安と自動車関連銘柄が連日の大幅安となった。吉利汽車(0175)は7.0%安、新興EVメーカーのNIO(9866)は6.8%安、自動車メーカーの小鵬汽車(9868)は4.1%安、理想汽車(2015)は2.4%安だった。

 

個別では自動車・電池メーカーの比亜迪(1211)は再び大幅安となり前日比5.8%安となった。先週に続いて米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが14年前に取得した同社株の一部を売却したことがネガティブに働いた。

 

同氏は先月24日時点で、保有する株式のうち133万1,000株を売却し、持ち株比率は20.04%から19.92%に低下した。今月1日には追加で売却が判明し、持ち株比率は18.87%に低下した。

 

一方、エネルギーや素材銘柄が上昇。アルミメーカーの中国宏橋(1378)は3.4%高、石油販売の中国海洋石油(0883)は2.4%高、ペトロチャイナ(0857)、シノペック(0386)はそれぞれ1.9%高となった。

 

ハンセン指数に5日付けで採用された、中国の石炭最大手の中国神華能源(1088)は3.8%高、宝飾販売最大手の周大福珠宝(1929)は0.1%安、製薬会社の輪森製薬(3692)は3.2%安、インターネット検索の百度(9888)は1.5%安だった。

 

ハンセン指数の四半期見直しで新たに4銘柄が追加され構成銘柄は73銘柄に増加した。同日付けで中国企業指数(HSCEI)に採用された人工知能開発のセンスタイム(0020)は1.3%高となった。

 

中国本土株市場は上海総合指数が前日比0.42%高の3,199.91と続伸、中国政府の追加経済対策の効果への期待が下値を支えた。中国政府は、新たに発表した一連の政策措置の詳細を9月上旬に公表すると表明しており、年後半の中国経済落ち込みを回避する狙いがあるとみられている。

 

株式市場は、小安く寄り付いた後、前日終値を挟んで一進一退の動きとなり、方向感を欠いた展開だった。経済対策には、地方政府の裁量拡大への期待も高いようだが、ふたを開けてみるまでは、マーケットには不透明感が残るだろう。

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録