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保険の失効を逆手に取り、解約返戻率のピークを維持する方法

前回は、保険料の支払い方法の変更で、決算をコントロールする方法を説明しました。今回は、保険の失効を逆手に取り、解約返戻率のピークを維持する方法を見ていきます。

保険契約が失効しても解約返戻金は一定期間受け取れる

2つめは、保険の失効についてです。生命保険では、保険料の支払いをせずに一定の期間が経過すると、保険契約が「失効」という状態になります。失効の状態になると、生命保険の本来の機能である「死亡保険金」を受け取れる権利を失います。

 

保険会社によってさまざまな違いがありますが、失効した場合、2年〜3年間は「復活可能期間」となっており、保険料と所定の手数料を支払えば、元の契約に戻ることが可能となることがあります。

 

一方で、「解約返戻金」については、保険の契約が失効してからも一定期間は、受け取れる権利を失いません。会社法等の規定とあわせ、これも保険会社によってさまざまな違いがありますが、2年、3年、5年、無期限など、解約返戻金を請求できる期限が設けられています。

解約返戻率のピーク時に失効すると「時間が止まる」

一見、不利な点ばかりが見えてくる「失効」の状態ですが、多くの企業では、この「失効」の状況をあえて積極的に利用しているのです。実は、失効の状態は、「時間を止める」という隠れた仕組みを持っています。

 

仮に、10年目で解約返戻率がピークを迎え、以後は一気に下がってしまう保険商品があったとします。この10年目で保険を失効した場合(させた場合)、解約返戻率80%という資金が保険会社に据え置かれることになります。

 

保険自体はすでに失効している状態なので、1年経過しても11年目の保険料の支払いは来ず、解約返戻率80%の権利を維持したまま、1年、2年と時間が経過していくのです。

 

当初、10年後に退職時期を迎えていた役員が、なんらかの理由で退職を2年延期し、退職金の支払いが12年後になったとします。10年で解約して退職金に充てることを予定して積み立てていた保険を、そのまま続けて2年間保険料を支払い、12年目に解約返戻金を回収すると、10年目よりも低い解約返戻率でしか戻ってきません。

 

そこで、10年目で失効をさせて「10年目で時間を止める」という手続きをとります。すると、12年後に解約をしても、高い10年間の解約返戻率のままで資金を回収することができるのです。

 

保険の失効というと、「保険料が払えなくて保険会社から見限られた」という負のイメージがあるかも知れませんが、実際には失効でさえも財産移転に活かすことができるのです。

 

ただし、失効は保険営業担当者にとって死活問題になります。契約者が失効になると、保険会社によっては、「保険料を支払えない顧客から保険契約を獲得した」「保険会社にとって不利益をもたらした」と解釈されて、営業担当者の評価が下がってしまいます。そして、給料や報酬に失効によるペナルティが科されるのが一般的です。そのため、保険営業担当者は失効の案内をすることには躊躇をしがちです。

 

しかし、一部の法人保険利用者にとってみると、「時間を止められる」というメリットは非常に大きいものがあり、知っておけば、いざというときの切り札として使えるのです。

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

連載生命保険を活用した「税金ゼロ」の資産移転術

本連載は、2015年6月2日刊行の書籍『生命保険で実現する税金ゼロの財産移転』から抜粋したものです。

本連載は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2015年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。商品パンフレット等で「逓増定期保険」「長期平準定期保険」といった表記がなされていても、税法上の保険種類とは異なる場合があります。本連載では税法に基づいた保険の名称を採用していますので、ご注意ください。

 

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

所得税、相続税、贈与税・・・財産を移転するだけで多額の税金がかかる日本。しかし、生命保険という「箱」を活用すれば、あらゆる税金を回避しながら資産移転ができるのをご存知でしょうか。 本書では、幻冬舎グループの資産…

 

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