企業や地域が本来持つ魅力やにじみ出る人間味を「おダシ」と呼び、それを独自のノウハウで引き出しながらユニークな採用支援やブランディング、地域プロモーションなどを行っているインビジョン株式会社。代表の吉田誠吾氏は、自社を「企業や地域のおダシ屋」と名乗ります。今回、チーム員全員がいきいきと働ける組織づくりを叶えるための人事戦略について吉田代表が解説します。

人間らしいチームづくりを叶える「おダシ戦略人事」

ここで「人事」「戦略人事」「おダシ戦略人事」の違いについて説明する。そもそもわたしは「人事」が抽象度の高い言葉だと思っている。人事の仕事を具体的に挙げると「採用」「配置」「評価」「能力開発」「報酬制度」「エンゲージメント」「退出」の7つだ。

 

「人事領域の仕事って全部で何個ある?」というテストを中小企業の現役人事にやってもらったとして、正解の解答率は果たして何%になるだろうか。おそらく子どもたちに見せられない結果になるだろう。実際、以上7つの仕事を網羅して改善を回している人事担当者はそう多くないというのは予想がつく。

 

では、7つの仕事を具体的に計画に落としてストレッチさせていけばいいのだろうか。もちろんそれなりに改善はすると思うが、おダシ濃度としては極めて薄いままだ。すなわち、コモディティ化されたチームができ上がるだけである。

 

続いて「戦略人事」だが、これを一言で言うと「経営戦略達成のためのHR戦略を描く、経営者のビジネスパートナー」となり、経営戦略を浴びながら人事組織の戦略を構築していくことがミッションだ。どうも響きは良さそうである。

 

ただどうだろう、国内の法人は約420万社あり、そのうち何社が自社ブランドを確立しているのだろうか。ブランド=おダシが薄い状態で、経営戦略と人事組織戦略がつながっていても、やはりおダシ濃度としては薄いまま。そして、これまたコモディティ化されたチームができ上がるだけなのだ。

 

最後に「おダシ戦略人事」だが、これは3Dそのものだ。「ブランド」「経営戦略」「人事組織戦略」の3つすべてにおダシを注入して、おダシでつなげていく、これこそがおダシ経営である。このおダシ経営に基づいて「おダシ=ブランド」と「おダシ経営戦略」の土台をきっちり理解したうえで人事組織戦略を構築していくミッションを推進するのがおダシ戦略人事だ。必然的におダシ戦略人事のおダシ濃度は濃いめになり、唯一無二の人間らしいチームづくりが可能になる。

 

生産性向上主義に走り「効率、効率」と無駄や余白をガンガン差っ引いて、実用的なノウハウばかりを追い求めていくと、心が乾ききって人間というよりもスカスカな生命体になる。炊き立ての白ご飯のように瑞々しく生きるには、無駄や余白も大切にしながら人間らしく生きることが重要だ。働く幸せと成長を当たり前に両立するチームづくりをこの世に広め、働く幸せを感じる、かっこいい大人をどんどん増やしていきたい。

 

うちの会社も同じ課題に直面していると共感するところがあった方は、ぜひ当社のサービスを頼ってほしい。泥臭いながら積んできた生きた経験は惜しみなくシェアする。おダシ十ヶ条「旨いおダシは当然分け合え」、ホクホクの「生きた情報」をお裾分けします。

 

 

 

吉田誠吾

インビジョン株式会社

代表

 

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※本連載は、吉田誠吾氏の著書『唯一無二の会社の魅力を引き出す弊社ダシ屋と申します』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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