(画像はイメージです/PIXTA)

国民のほとんどが加入している年金制度。しかし、人によってもらえるお金は違ってきます。より良い老後のためにも年金制度とうまく付き合っていくことは不可欠でしょう。年金制度の疑問を、泉美智子監修『学校では教えてくれなかった社会で生きていくために知っておきたい知識』(株式会社KADOKAWA)で解説します。

  • QUESTION15 年金って正直頼りになるの?
 
 

 

  • ANSWER 亡くなるまでもらえるのが魅力だが目減りするケースも

 

いろいろと説明をしてきた年金ですが、きちんともらえるのかどうか若い世代での不安も大きいようです。

 

年金の一番の魅力は、亡くなるまで受給し続けられること。高齢になるほど働けなくなるリスクが高くなるため、安定した収入が得られるのは大きなメリットです。

 

逆に貯蓄はいずれなくなってしまうので、想定以上に長生きした場合は困窮してしまいます。月々定額が支給されるという点で、年金は有効な制度といえるでしょう。

 

例えば、国民年金は受給してからおよそ10年で受給金額と支払った保険料の金額が同じになります。つまり理論上は、75歳ぐらいまで生きていれば、支払った保険料よりも多くの金額を年金としてもらえるようになるのです。厚生年金加入者の場合は、国民年金よりやや早い、73歳ぐらいで受給額が支払い額を超えるようになります。

 

とはいえ、年金は現役世代の保険料で受給世代の年金の多くを担う「仕送りシステム」です。少子化が進めばもらえる年金は目減りする可能性も大きいでしょう。そのためQUESTION16で説明するような方法を検討して、自分でも老後資金を準備する姿勢も大切です。

 

  • QUESTION16 年金って増やせるの?
 
 

 

  • ANSWER お得な制度への加入や需給の仕方などを変更して増やせる

 

年金額を心もとなく感じる場合は、さまざまな方法で増やすことができます。特に厚生年金加入者とくらべて年金額が少ない、フリーランスなどの第1号被保険者向けには、お得な制度があります。

 

ひとつ目は「国民年金基金」という制度。自分でプランを細かく決められるのが特徴で、2口目以降は終身年金または確定年金(もらえる期間が決められている年金)から選べます(1口目は終身年金)。

 

もうひとつは「付加年金」という、国民年金基金に加入していない場合に利用できる制度です。月額400円支払えば、「200円支払い月数」の年金が毎年受け取れます。2年加入すれば元が取れるお得な制度なので、国民年金基金に加入していない場合は利用するのがおすすめです。

 

この「国民年金基金」「付加年金」は、どちらも全額控除されるので、節税対策にもなります。

 

また、厚生年金は「収入を増やす」「長く納める」「受け取りを遅らせる」といった方法でも増やすことができます。国民年金(基礎年金)も受け取りを遅らせて年金額を増やすことができます。

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    本連載は、2022年3月17日発行の書籍『学校では教えてくれなかった社会で生きていくために知っておきたい知識』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    学校では教えてくれなかった 社会で生きていくために知っておきたい知識

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    泉 美智子

    KADOKAWA

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