地震に備えるなら「古い神社」がある土地を
成毛:われわれがこういう話をしていると「じゃあどこに住めばいいんだ!」とツッコまれそうです。
ひろ:災害のことも頭に置いておくなら、低層階なら都内でも問題ないと思います。東日本大震災のときも都内で住めなくなるマンションはあまり出ませんでしたよね。低層階なら階段も使えますし。あとは、古くからある神社があるところは安全っていいますよね。
成毛:東京工業大学のグループが「東日本大震災の津波被害における神社の祭神とその空間的配置」を調査したところ、自然災害を治めるスサノオを祭る神社の被害はほとんどなかったようですね。神社は数百年から1000年単位で続くものもあるので「歴史の古い神社は天災に強い説」は割と信憑性があると思いますよ。
ひろ:なので、答えとしては、昔の地形とかハザードマップを参考にして、土地が安定している所を選ぶってことですかね。でも、そういう土地は高いので、賃貸のほうがいいんでしょうけど。
成毛:僕も若かったら賃貸を選んでいたでしょうね。
ビル・ゲイツも太鼓判…引越すなら「職場の近く」一択
ひろ:編集さんから「おふたりならどこに住みたいか」と聞かれてますけど、僕的には地震のことはあまり気にしないですね。それよりは職場から徒歩圏内の物件を選んじゃいます。通勤時間が短いほど可処分時間が増えるので。
成毛:首都直下地震が怖いから東京を避けるとは考えない?
ひろ:10年に1回のペースで日本のどこかで大きな地震が起きるのは事実でしょうけど、自分が直接大きな被害を受けるかどうかは、運の要素がだいぶ大きい。それよりも、おもしろい仕事ができて、それなりに高い給料がもらえる都市ってなると、日本の場合はどうしても東京になるかなと。
成毛:僕はマイクロソフトの社長時代に浜松町にあった本社のオフィスを笹塚に移したんですよ。移転後にビル・ゲイツが来て、ニヤニヤしながら僕にこう言ったんです。「おまえ、オフィスを自宅の近くにしたんだろ」と。ビックリしましたね。なんでバレたのかと(笑)。
ひろ:まじすか(笑)。
成毛:でも、ビルも「それが正解だよ」と言ってくれました。「おまえは日本法人の指揮官なんだから、自宅を職場の近くにするか、職場を自宅の近くにするか。まあ、職場の隣に住むのがベストだけどね」と。
実際に会社を自宅の近くに持ってきたことで、通勤時間が1時間くらい短縮できました。開発センターやデータセンターも京王線沿線に設置したら、乗り換えなしで行けるから便利ですし、社員も職場の近くに集まってきた。
ひろ:てなわけで、成毛さんと僕と、そしてあのビル・ゲイツの意見が「職場から近い場所に住むべき」だと一致しました(笑)。