(※写真はイメージです/PIXTA)

40〜50代と比較的若い世代で発症する「若年性認知症」。働き盛りの世代で発症する認知症で、患者さん本人はもちろん、家族や周囲の人のショックや、生活に与える影響が大きいことは想像に難くありません。本記事では、MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長の山本康博氏が、自分はもちろん、周囲からもわかる若年性認知症のサインについて、複数のチェックリストを交えて解説します。

運転時・性格・行動からわかるチェックポイント

自動車関連のチェックポイント

自動車に関連した場面でも、認知症の影響は出やすいです。

 

【自分でわかる兆候】
•どこを走っているのかわからなくなる
•アクセルとブレーキを間違えそうになる
•運転時の判断能力が落ちたと感じる
•通い慣れた道なのに、目的地にたどり着けない
•家族から運転を危ないと言われる、自分も不安に思う

 

【周囲の人がわかる兆候】
•車にぶつけた跡や、傷があった
•車間距離が極端に狭いと感じる
•信号無視を平気でするようになった
•駐車や車庫入れがスムーズにできなくなった
•車線への入り方がわからず、逆走した

 

自動車関連の認知症は、「見当識障害」と呼ばれる、自分がいまどこでなにをしているのか、次になにをすればいいのかといった判断能力の低下がポイントです。

 

このような状態が続くと、やがて大事故にもつながりかねません。できるだけ早く専門家に相談してみるのがいいでしょう。

 

性格のチェックポイント

認知症では、性格に変化が起こることもあります。

 

【自分でわかる兆候】
•おしゃれに関心がなくなった
•1人になりたくないと思う
•涙もろくなったと感じる
•以前はいろいろアイデアが浮かんでいたが、いまはなにも浮かばない

 

【周囲の人がわかる兆候】
•明らかに怒りっぽくなった
•感情がコントロールできないなど、子どもっぽくなった
•自分の間違いを他人のせいにする
•テレビを見ながら、汚い言葉で罵りの独り言を言っている
•上記のような行動に注意をうながすと殴りかかってくる
•配偶者が出かけると浮気をしているのではないかと疑うようになった

 

認知症の1つの症状として、感情がコントロールできなくなったり、猜疑心が強くなるというものがあります。これらの症状がみられたら、他にもチェックポイントに該当するものがないかよく観察しましょう。

 

また、暴言や暴力などの面が強く出るようなら、早めに専門家に相談しましょう。

 

行動のチェックポイント

最後に、行動面からのチェックポイントをご紹介します。

 

【自分でわかる兆候】
•時間で決められた約束を忘れてしまう
•ドラマなどのストーリーが理解できない
•人の話が理解できない
•自分の名前が書けない
•親戚や知人、地域など身近な人の顔を見ても名前がわからない
•財布や鍵をどこに置いたかわからなくなる

 

【周囲の人がわかる兆候】
•夜、用もなくふらふら出かける
•ティッシュをちぎって洗面所やトイレに詰めるなど、不可解な行動を毎日行う
•会話の最中、話題についていけていない
•ペットに何度も食事をあげる
•いつも探しものをしている、家族や身近な人が盗ったと言い出す

 

行動面では、もの忘れと見当識障害が多いのですが、ポイントなのが「財布や鍵をどこに置いたかわからなくなり、家族や身近な人に盗られたと思い込む」という被害妄想です。これも認知症のよく知られた症状の1つですので、何度も繰り返す場合は認知症を疑っていいでしょう。

 

おわりに…若年性認知症も「早期発見・早期治療」が重要

若年性認知症は、働き盛りの40〜50代が発症することが多く、発症すると本人も周囲の人にも精神的・経済的・社会的な打撃が大きくなります。未成年の子どもがいた場合、その子の精神的なショックはもちろん、その後の教育や結婚などにも影響を与えかねません。

 

そこで、早期発見できるよう、いままでと違うことがあったらチェックポイントを意識して観察してみましょう。早期発見・治療できれば、進行を抑制することもできます。

 

 

山本 康博

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい

院長

 

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