(※写真はイメージです/PIXTA)

40〜50代と比較的若い世代で発症する「若年性認知症」。働き盛りの世代で発症する認知症で、患者さん本人はもちろん、家族や周囲の人のショックや、生活に与える影響が大きいことは想像に難くありません。本記事では、MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長の山本康博氏が、自分はもちろん、周囲からもわかる若年性認知症のサインについて、複数のチェックリストを交えて解説します。

サービスに頼るもミスマッチ…"若年性"特有の問題

働き盛りの年齢で発症してしまうと、経済的な打撃を受けることはもちろん、本人や周囲の人が精神的ショックから抑うつ状態になってしまうこともあります。体力やスキルは残っているのに、記憶障害や見当識障害などによってミスが増えてしまい、悔しさや歯がゆさを抱えてしまうことも少なくありません。

 

さらに、高齢者と比べて発症する人数が少ないことから、専門のサービスや支援がほとんどありません。すると、高齢者向けや障がい者向けのサービスを利用せざるを得ないことになります。

 

ここでの大きな問題は年齢層のずれで、他の利用者さんと話が合わなかったり、支えるご家族が介護家族会などに参加しても高齢者介護とは課題が異なるなど、ミスマッチとなってしまうことが多いのです。

職場・家庭でのチェックポイント

若年性認知症も、基本的な症状は高齢者の認知症と変わりません。そこで、やはり高齢者の認知症と同じように、「早期発見・早期治療」が重要です。現在ではアルツハイマー型認知症であっても進行を遅らせる薬がありますので、早期発見して治療を始めれば、日常生活の動作やQOL(生活の質)を維持することができます。

 

また、早期発見して症状の進行を抑えられれば、周囲の人の介護負担が減り、理解力や判断力がある程度残った状態で本人が病気のことを受け入れやすくなります。すると、今後の人生設計なども自分で考えられることが多いです。

 

さらには、社会的に医療費や介護費も減ることになりますので、早期発見・治療は社会貢献としても重要なことです。

 

そこで、職場・家庭・自動車関連・性格・行動の5つの面から、早期発見のためのチェックポイントをご紹介します。

 

職場でのチェックポイント

職場でのチェックポイントは以下のようなことです。

 

【自分でわかる兆候】
•いままでやっていた仕事の手順がわからなくなる
•上司の指示を忘れてしまう
•取引先の人の名前を忘れた、または覚えられない
•電話を受けてメモを取ろうと思っても取れない、あるいは忘れる
•ミスをしたときの状況を忘れる
•顧客や取引先との約束を忘れる

 

【周囲の人がわかる兆候】
•同じものを何度も注文し、在庫が大量になる
•仕事でミスが増えた
•仕事のスピードが明らかに落ちた
•いつもの手順で仕事ができず、抜け漏れが多い
•仕事で接客をしていても、短いスパンで何度も同じことを聞く

 

いずれの場合も、「いままでは難なくこなしていたことができなくなる」ということがポイントです。また、認知症の場合は「もの忘れ」に関連したミスが多いことも特徴です。

 

家庭でのチェックポイント

家庭では以下のようなことに気をつけて見てみましょう。

 

【自分でわかる兆候】
•作り慣れた料理が作れない
•自分で料理しても、なにを料理したか覚えていない
•味の好みが変わった
•火をつけっぱなしにしたまま放置してしまう
•趣味が突然できなくなった、興味をなくした
•子どもの学校行事などを忘れる

 

【周囲の人がわかる兆候】
•1日に同じことで何度も電話する
•作ってほしいメニューを言っても毎日同じ料理ばかり作る
•同じものをいくつも買ってくるので、冷蔵庫が同じ食品でいっぱい
•子どもが孫を連れて遊びに来ても、早く帰れと言ったり来るなと言ったりする
•季節に合う服装ができないなど、身だしなみに無頓着になる

 

家庭では「何度も同じことをする」「怒りっぽくなる」などのポイントに焦点を当ててチェックしていきましょう。また、身だしなみに無頓着になる場合、精神疾患の可能性もありますので、注意して観察し、他の認知症や精神疾患の予兆がみられるようなら専門医に相談しましょう。

 

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