(※画像はイメージです/PIXTA)

筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきかを記しています。発達障がいは治療ができない難病ではありません。本記事では、その治療について、実例をもとに解説していきます。

「薬の飲み忘れ」と「最近の様子」からわかること

アトモキセチンなどの薬を飲み続けないと効果が薄れてADHDの症状が再発することがあります。一年経ったのでそろそろ服薬をやめても良かったのですが、中止してADHDの症状が出たということは、薬が効いていたことに他なりません。

 

まだ薬による治療が必要だということです。私は、薬をやめてもあまり変化がない時がやめ時だと心得ています。

 

よくよくG君に聞いてみると、飲むのが面倒になったからという理由でした。まだ効果があるのできちんと飲むよう指導し、油断せず今も外来でフォロー中です。

 

G君のようにADHDを治すことでマイペース、友人とのトラブル、視線の合いづらさといった自閉スペクトラム症の症状も変わっていくことはよくあります。特に、自閉スペクトラム症のお子さんは自分にプライドを持っていることが多く見受けられます。

 

ADHDが良くなって周りから褒められると、プライドがくすぐられ、性格も穏やかになったり、積極的に宿題などもやるようになったりする傾向が強いのです。

 

また、G君の例でもわかるように、いずれの治療も薬だけではなく、DRCのような行動療法を併用することによってさらなる効果が期待できます。薬さえ飲んでいれば大丈夫というわけではないので注意してください(ADHDの治療に関する詳しいことは、製薬メーカーのネット「adhd.co.jp」「ADHDナビ」「知って向き合うADHD」で検索してみてください)。

 

 

※ 本記事で紹介している治療法等は、著者が臨床例をもとに執筆しております。万一、本記事の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。また、本記事に記載している薬剤等の選択・使用にあたっては、医師、薬剤師等の指導に基づき、適応、用量等は常にご確認ください。

 

 

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鈴木 直光

筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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