(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

原油、ネット、自動車関連株は下落

一方、原油関連株は下落。前日、WTI原油先物はロシアがウクライナ侵攻を開始した今年2月以来、初めて90ドル/バレル割れとなり過度な需要懸念が後退した。

 

OPECプラスは3日、小幅に増産姿勢を示したことや、インフレ警戒が和らぎ沈静化につながった。中国最大の石油グループのペトロチャイナ(0857)は2.2%安、CNOOC(0883)は1.2%下落した。

 

ネット株や自動車株など堅調だった銘柄も売られ、Eコマースのアリババ(9988)は2.2%安、自動車の理想汽車(2015)は1.0%安、インターネットサービスのテンセント(0700)は1.4%下落した。

上海総合指数は、半導体セクターが押し上げ続伸

中国本土株は上海総合指数が前日比1.19%高の3,227.03と続伸、指数は中盤まで方向感が定まらない中、終盤にかけて急上昇し3,200ポイントを超えて引けた。中国政府の産業支援策に対する期待から半導体セクターに買いが目立ち指数を押し上げた。CSI300指数は1.35%高の4,156.91で引けた。

中国アリババ、米株式市場上場以来初の減収

4日、Eコマース大手のアリババ(9988)が4-6月期決算を発表。売上高は前年同期比でわずかながら減収となり、14年の米株式市場上場以降、初めての減収となった。

 

新型コロナウイルス感染拡大を受けた上海の都市規制など、厳格な防疫措置が業績を直撃した。ただ、6月以降は回復の兆候がみえ、長期的な成長の機会に自信を持っているとCEOは述べた。

 

8日の同社株価は2.2%安となった。前日、決算発表前に5.1%上昇と事前に買いが先行していたこともあり反応はネガティブに働いた。

 

市場の反応としては、アリババは、今期の決算内容こそ減収となり落ち込んだもの、懸念されたような悪い数字ではなく、むしろ上振れた内容について好感した。

 

多くのアナリストは、目標株価について強気判断を維持し、利益の上方修正を期待しているようだ。アリババは昨年の急落から今年は上値が重いが、反転への期待はむしろ強まっている感がある。

 

 

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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