(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症を予防するには、どうすればよいのでしょうか? 認知症にはさまざまなタイプがありますが、本稿では、患者の割合が多い「アルツハイマー病型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」を取り上げます。認知症のタイプ別に、発症リスクを上げてしまう行動や習慣、予防につながる生活習慣を見ていきましょう。医療法人いくしま医院院長・幾嶋泰郎医師が解説します。

血管性認知症を防ぐには…「脳出血」のポイント

■激しい運動、トイレでの「いきみ」、首をポキポキ…などに要注意

中高年の脳卒中では、高血圧、動脈硬化などが引き金になることが多いですが、若年性の脳出血においては、脳静脈がとぐろ状になっている脳静脈奇形や、血管の塊ができる海綿状血管腫、脳動脈が詰まって細い血管がたくさん生じる「もやもや病」など、生まれつきの要因がある場合が多いです。これらは血管がもろいため、激しい運動をする、トイレでいきむなど、血圧が上がる行動をきっかけに発症しやすくなります。

 

脳梗塞やくも膜下出血につながるものとして注目されるのが、脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)です。脳動脈の膜が割けて膜内に血液が流れ込み、血管が圧迫され、血流が滞ったり動脈瘤ができたりします。整体やゴルフ、野球など、急に首をひねる動きでも誘発されますが、首をポキポキ鳴らすなどの動きも危険です。首の後ろの動脈がズキンズキンと激しく痛むのが典型的な症状です。早めの対処で脳梗塞などの発症を予防できるので、痛みを感じたときは様子見をせず受診しましょう。

 

また、脳梗塞を発症した後に、血液をサラサラにする薬を飲んでいて、逆にその薬が効きすぎてしまうと脳出血になる場合があります。

 

ほかにも、LDLコレステロールと言えば、通称「悪玉コレステロール」として有名ですが、最近、LDLコレステロールが低すぎる場合、脳出血と関連するというデータがあります。「悪玉」だからと言って、低ければ低いほど良いというわけではなさそうです。

認知症の大半を占める「アルツハイマー型認知症」

■根本原因は不明だが…

アルツハイマー型認知症の病気の原因は、現在まだわかっておりません。

 

危険因子としては、遺伝因子(遺伝要素、家族歴)と環境因子(加齢・高血圧・糖尿病・脂質異常症・食生活・運動不足・喫煙・頭部外傷)に分けることができます。

 

バランスの良い食事、適度な運動、脳トレ、社会的なつながりが重要

糖の取り込みは、神経細胞を囲んでその機能を支えているグリア細胞が行っています。このグリア細胞が血液中の糖を取り込んで、その糖を神経細胞に渡します。神経細胞は受け取った糖をエネルギーに変換するという仕事をしています。最近の研究では、アルツハイマー病のある人の脳では、グリア細胞へ働きかけるインスリンが不足してしまい、グリア細胞は血液中の糖を取り込めなくなってしまうことがわかってきました。

 

血糖値が高くなっていると、脳内でインスリンの働きが悪くなるとともに、アルツハイマー型認知症で脳内に沈着すると言われる「アミロイドβ」が増えやすくなると考えられています。アルツハイマー病型認知症を予防する上でも、バランスの良い食事、適度な運動、脳トレ、社会的なつながりは重要だと思います。

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