空いているリソース・容量・時間等を有効利用する
空いているリソース(資産)、空いているキャパシティ(容量)、空いている時間、空いている能力など、現代社会においてこうした無駄と思えるものは増え続けています。一方で、インターネットの発達により、現在では、こうした「アイドル=空いているモノ」を見つけ出すことは非常に容易になりました。このような状況を背景に、あらゆる業界において「アイドル」が大きなビジネスチャンスになってきています。
シェアハウス、ルームシェア、カーシェアリングといったシェアリングビジネスは、こうしたアイデアの発想から生まれてきたものです。顧客の混雑度によって価格を変更するダイナミックプライシングもアイドルビジネス(空いている時間の有効活用)の一種といえるかもしれません。
具体的な事例としては、配車サービスのウーバー、民泊サービスのエアビーアンドビーなどをあげることができます(空いている資産の有効活用)が、最近はやりの「空き家再生ビジネス」もこうした発想から生まれたビジネスであるといえます(図表3参照)。
また、これまで中小製造業(印刷業、クリーニング業など)の多くは、低い稼働率(50%以下)にもかかわらず高額(1億円以上)の生産設備(機械)をかかえ、固定費が大きな負担となっていました。このような状況を解消するため、同業の企業間の情報をネットワーク化してユーザー側のオーダーに応じて適切に発注を割り振る仕組みを構築し、業界全体として機械の稼働率を向上させることが可能となりました(空いているキャパシティの有効利用)。
このような仕組みを仲介サービスとして提供し、成功している事例としては、ネット印刷のラクスル、宅配クリーニングのリネット等があります(図表4参照)。
木下 雄介
カッティング・エッジ株式会社 代表取締役
中小企業診断士
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