病気による「発熱」と「高体温」の違いとは
夜、風呂に入る時や寝ようとする時になって、子どもの熱の高さに急に気づく場合があります。体温が高くなる場合には、2種類の理由が考えられます。(関連記事:『【漫画】息子、なんか熱い…「急な発熱」ママはどうするべき?』)
1つ目は風邪などによる「発熱」で、体温を上げることで免疫力を高め、病原体に対抗しようとしている状態です。
もう1つが「高体温」の場合です。子どもは外部の影響を受けやすいため、着込みすぎた場合や、乳幼児だと激しく泣いたり、授乳後などに体温が上がったりします。
これらの違いは、脳の体温調節上のセットポイントの違いからきています。
発熱の場合は、脳内で調整して「熱を出している」のであり、反対に高体温は、設定自体は平熱のままで、おもに外部の影響によって「体温が高くなっている」のです。
見極めるには、手足などの末梢を触ってみることです。発熱が起きると悪寒や震えが起こることもありますが、手足は冷たい状態です。高体温の場合は熱を逃がそうとして汗をかき、手足は温かいままです。
風邪などの可能性が高い!受診するかどうかのポイントは?
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急な発熱の場合には、救急外来を受診すべきかどうかの目安を知っておきたいものです。
熱があっても元気で水分も取れ、すんなり眠れているなら、急いで受診する必要はないでしょう。
一方、すぐに救急外来に行くべきなのは、生後3か月未満の乳幼児で38度以上の熱がある場合。これは重症な感染症にかかっている可能性があります。本来、生後6か月ぐらいまでの幼児は、お母さんからの移行免疫があるので発熱は起こりにくいものなのです。
そのほか月齢にかかわらずぐったりとして顔色が悪い、元気がない、水分もとれず呼びかけてもぼうっとしているような場合は、救急でも受診しましょう。また、水分をとらせても吐いてしまったり、嘔吐物が緑色になるほど吐き続けたりしている場合、おしっこが半日近く出ていない、けいれんがみられるという場合も急いで受診してください。
また、咳が続いたり、熱が5日以上続いていたり、食欲はあってもどこか元気がないような場合などは、日中の外来でよいので受診して相談しましょう。
自宅での処置で注意したいこと
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自宅で過ごす場合、水分を適度にとり、なるべく1人にしないことです。
体を冷やすと気持ちがよいと感じるなら、脇の下を冷やしたり、氷枕を使ったりしましょう。ただし子どもが嫌がっているのに無理に冷やす必要はありません。どうすれば子どもが心地よく過ごせるかを重視してあげましょう。
また、熱があるからといって解熱剤を使う必要はありませんが、眠いのにぐずぐずして寝つけない、機嫌が悪い、ぐったりしているという時には、熱を下げる道具として解熱剤をうまく活用しましょう。それで風邪が治りにくくなることはありません。
成長途上にある子どもにとって、「熱は出すもの」です。
いろんな敵に対する免疫を作っていく段階にあるのですから、急な発熱でもあわてずに、見るべきところを見極めて子どもが過ごしやすくなるように心がけましょう。(関連記事:『【漫画】息子、なんか熱い…「急な発熱」ママはどうするべき?』)
小児科医
工藤 紀子
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