※画像はイメージです/PIXTA

「銀行の口座凍結=被相続人の死亡日(死亡届の提出日)」と誤解している方が多いですが、自動的に口座が凍結されることはありません。被相続人が死亡したことによって銀行の口座凍結をされると、振込や引き落としはできなくなり、該当口座は元に戻りません。該当預金口座の名義変更や払い戻しの必要があります。本記事では、口座凍結の手続きの方法について基礎から解説していきます。

銀行口座凍結をすると振込も引き落としもできない

銀行の口座凍結をすると、被相続人の預金通帳のお金の出入りがすべてストップします。

 

[図表1]口座凍結後にできなくなること

 

口座凍結後に出金できなくなるのは当たり前ですが、意外と見落としがちなのが「振替(口座引き落とし)」です。被相続人が契約していた料金の引き落とし、たとえば公共料金・家賃・携帯代・クレジットカードなどの振替です。

 

「個人経営の被相続人が個人の預金通帳を使っていた場合」は、清算もできなくなります。引き落としができなくて困る場合は、すべての引き落としが完了してから銀行へ行って口座凍結の申請をするとよいでしょう。

 

銀行口座凍結後にまとまったお金が必要な人へ

銀行の口座凍結をされて出金できなくなると、相続税を納税するためのお金や葬儀代も引き出せません。銀行口座凍結後にまとまったお金が必要になった場合、「仮払い制度」を利用しましょう。

 

この仮払い制度とは、遺産分割協議が確定される前でも、被相続人の預貯金を引き出すことができる民放改正後の新しい制度です。仮払い制度を使って1つの金融機関で引き出せる金額は、以下のように定められています。

 

1. 預貯金残高×1/3×法定相続分

2. 最大150万円

 

1の金額が150万円以上になる場合、2の最大150万円が適用されます。 1の計算をするための「法定相続分」はケース(引き出しを行う人や相続人の人数)によって異なり、2の最大金額は銀行によって変わるのでご注意ください。

 

被相続人の預金を引き出す=相続の単純承認になる

口座凍結される前の預金口座から、「早く相続財産が欲しいから」などの理由で現金を引き出すのはやめてください。これは相続人同士でトラブルに発展する可能性があるだけではなく、預金を引き出した時点で「相続の単純承認」になるためです。

 

仮に被相続人に誰も知らない借金などの「マイナスの財産」があった場合、単純承認をしてしまうと相続放棄ができなくなります。 わかりやすくいうと、預金を引き出してしまっただけで、相続放棄の余地なく借金も相続しなければならなくなるということです。 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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