(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資をする際に「配当利回り」に着目して購入を検討する人は多いと思います。毎年の配当は魅力的ですし、現在の東証プライム市場上場企業の配当利回りは平均で2.4%程度と、このゼロ金利時代にメリットを感じるでしょう。しかしここでは、配当利回りよりも「益利回り」に注目してみることをお勧めします。経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

「割安だから値上がりするだろう」と考えるのは危険

上記のように、現在の益利回りは十分魅力的だと筆者には思われます。しかし、だからといって「割安だから値上がりするだろう」と考えるのは危険でしょう。人々が臆病(慎重?)であれば、暴落リスクを恐れて株式投資を手控えるでしょうから、株価が上がらない可能性も十分あるからです。

 

しかし、それは嘆くべきことではなく、むしろ歓迎すべきことなのかもしれません。人々が臆病で株を買わないからこそ、PERが低い状態で放置されているわけで、だからこそ株を買えば高い益利回りが期待できるというわけですから。

 

仮に人々が臆病でなかったら、配当利回りや益利回りを求めて株を買う人が増え、株価が上がってしまうので、筆者が株を買おうと思っても高い益利回りが期待できない、といったことが起こりかねないわけですが、幸いそうなっていないわけですから(笑)。

なお、短期投資に「益利回り」は無関係

以上のように、日本株の益利回りが預金金利よりはるかに高くて大いに魅力的であることを記して来ましたが、これは長期投資をする際のメリットであって、短期投資をする際には関係の無いことなので、混同しないように要注意ですね。

 

配当狙いは短期投資とは相容れませんし、内部留保が増えたら直ちに株価が上がるというわけでもありません。上記のように「割安だから上がるだろう」というわけでもなく、そもそも短期投資は美人投票の世界なので、割高割安は短期投資には向かない概念ですから。

 

本稿は以上ですが、投資は自己責任でお願いします。なお、本稿は筆者の個人的見解です。また、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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