(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

上値が重い展開も、マカオのカジノ再開で関連株は上昇

22日の香港市場は上値が重く、持ち合いのまま前日比0.17%高で取引を終了した。不動産ローン不払い問題への懸念がくすぶり、中国政府の積極的な景気刺激姿勢が後退したとの観測も買いを手控えさせた。

 

来週の米FOMCを控え商いは薄く、香港市場の売買代金は851億香港ドルと低水準だった。

 

個別ではカジノ関連株に買いが目立ち、カジノのサンズ・チャイナ(1928)が3.8%高。澳門博彩(0880)が2.5%高、永利澳門(1128)が2.2%高となった。

 

新型コロナ感染拡大が続くマカオでは23日から、限定的に経済活動が再開され、カジノも営業を再開することが好感された。

 

自動車セクターも好感され、NIO(9866)は3.4%高、理想汽車(2015/HK)が1.7%高、ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は小幅に3日続伸し、動画プラットフォームの快手科技(1024)は3.7%高、ビリビリ(09626)は1.7%高だった。

 

中国本土市場では、中国景気の先行き不安がくすぶる流れ。上海総合指数は0.06%小幅安の3,269.97。CSI300指数は4,238.23の0.05%高だった。

香港のプライムレート、18年以来の引き上げへ

香港の市中銀行は、米連邦準備制度による積極的な金融政策引き締めに対応し、2018年4月以来のプライムレート引き上げになる見込みだと、Bloombergが伝えた。

 

来週の米FOMCでは75bpsの利上げが見込まれる中で、香港ドルは米ドルとのペッグ制を採っているため、同様の幅で基準金利が引き上げる見通しである。

 

一方、プライムレートは18年10月の引き上げを最後に、5%水準で落ち着いていた。1ヵ月ものの香港銀行間取引金利(HIBOR)は、すでに2年ぶりの高水準に達している。さらに、市中金利の引き上げが実施されると、世界屈指の高値水準にある香港の不動産市場にとってはボディブローになり、不動産価格の下落につながるとの懸念も出ている。

 

(香港のプライムレート)

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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