「工業技術の時代」の終焉…次は「情報技術の時代」
加えて、欧米諸国の労働組合がインフレ分の大幅な賃上げを勝ち取る一方、日本では、賃金の伸びを生産性の伸びの範囲内に収める労使間の協調によって、価格・コスト面での国際優位性が生まれました。言い換えれば、国民の省エネ意識を含め、戦後最大の危機は、そのコストが社会全体で認識・共有されたのです。
しかし、(少なくとも先進国においては)「モノを巡る課題」の多くは解決され、工業技術の時代は終わり、情報技術の時代を迎えます。
それは、ディスインフレの時代でもありました。社会の課題がインターネットやプラットフォームなど「見えない課題」に姿を変えると、「イノベーションのジレンマ」や他国によるキャッチアップと共に、日本企業の時代も終わりました。
重見 吉徳
フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト
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