※画像はイメージです/PIXTA

遺産相続の手続きでは、手続きの方法だけでなく遺産をいつもらえるかを知っておくことも重要です。故人の預金がすぐにもらえると思って銀行に行っても、預金の引き出しには数週間以上かかるもの。遺産をいつもらえるかを事前に知っておけば、必要な手続きに早く取りかかることができるでしょう。相続した遺産がいつもらえるか、だいたいの目安をみていきます。

相続した遺産をもらえるのは数週間たってから

亡くなった被相続人の遺産を相続するには、財産の種類に応じてそれぞれ次の場所で手続きをします。窓口に出向くほか、郵送で手続きができる場合もあります。

 

【財産の種類と届出先】

■預貯金

銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行、JAバンクなど預け入れ先の金融機関

■株式

証券会社など

■不動産

登記所(法務局)

 

ただし、遺産相続の手続きをしても、その場ですぐに遺産をもらえるわけではありません。預貯金や株式は、相続人がもらえるようになるまで数週間程度かかる場合があります(もらえるまでの期間は金融機関によってまちまちです)。不動産も相続人の名義に書き換えられるまで、数週間~1ヵ月程度は必要です。提出書類に不備がある場合や家族関係が複雑な場合は、さらに時間がかかることがあります。

 

遺産相続の手続きに時間がかかる理由

遺産相続の手続きをしてから遺産をもらえるまで数週間もかかるのは、財産の所有者本人が死亡したことで、事実の確認に時間がかかるからです。

 

もし故人の預金が簡単に引き出せるなら、ある相続人が他の相続人に無断で預金を全部引き出すことができてしまいます。赤の他人が相続人になりすまして預金を引き出すこともありえます。

 

相続手続きでは、提出された戸籍謄本などをもとに被相続人(故人)が本当に死亡したのか、届け出をした人は相続が認められているのかといったことを確認します。このような慎重な手続きで、遺産の横領や遺族どうしの相続トラブルを防いでいます。

 

なお、銀行など金融機関に死亡を届け出ると、預貯金の口座が凍結されるので注意が必要です。口座が凍結されると、相続手続きが終わるまで入金や出金ができなくなります。

 

相続人どうしでもめるとより多くの時間がかかる

ここまでお伝えした「遺産がもらえるまで数週間以上かかる」という目安は、金融機関や登記所などで手続きをしてからの期間です。相続人どうしでトラブルが発生して遺産分割協議がまとまらなければ、いつまでたっても遺産をもらうことはできません。

 

遺産を早くもらうためには、誰が何を相続するかできるだけ早く決めることも必要です。

 

遺言書があっても時間がかかることがある

亡くなった被相続人が遺言を書いていれば、相続人は原則として遺言のとおりに遺産を相続します。遺産分割協議をしないため遺産をもらえるまでの時間は早くなると思われがちですが、必ずしもそうとはいえません。

 

自筆で書かれた遺言(自筆証書遺言)が自宅などで保管されていた場合は、開封する前に家庭裁判所で検認という手続きをする必要があります。

 

遺言書の検認には1ヵ月以上の期間が必要で、遺産をもらえるまでの期間はそれだけ長くなってしまいます。

 

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    本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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