(※写真はイメージです/PIXTA)

山陰地方の、とある中小建築会社の責任者は、顧客から突き付けられた無茶な要求から、「行き過ぎた顧客第一主義」の問題と向き合うことになります。そもそも建設業界自体に、下請けへの過剰なダンピングや激しいパワハラが横行しており、現場で起こる問題の根本原因になっていたのです。

大企業にダンピングされた施工現場は、ひどい有様

お客さまと接し、満足させるのは、結局は現場の社員たちです。

 

会社に不平不満だらけの社員が、お客さまを幸せにするために全力を尽くせるとは思えません。自らが不幸な状態にあるのに、仕事に喜びを見出しお客さまのために前向きに働ける人はいないと思います。

 

2番目にくるのが、取引先です。卸業者や下請け会社など、取引先の会社がなければ、自社のビジネスを完遂することはできません。社員たちが娘や息子といった直系の家族であるとするなら、取引先はいわばそのいとこにあたるような関係で、やはり一心同体の家族なのです。

 

建築業界では、自社ばかり儲けて下請け会社をただの道具としてしか見ていないような大企業がたくさんあります。その結果、起きてくるのがダンピングです。自社さえ儲かれば、他社が赤字仕事という「腐った肉」を食べて身体を壊そうが、どうでもいいというわけです。

 

そうした発想で事業を行っている大企業が手掛ける施工現場は、ひどい有様です。以前、松江市に大きなビルが建った際、私たちも施工業者の一つでしたが、その現場は悲惨なものでした。下請け、孫請けの会社からきた職人たちが、正月も休めず、休暇も取れずに、ひたすら働き続けていました。

 

それでも工期が遅れた結果、職人たちは工事を仕切る会社の社員から「お前たちがちんたらやっているから、遅れているんだ!」と毎日怒鳴られていました。

 

設計も施工も、日本有数の企業が引き受けているにもかかわらず、現場ではそうして人を人とも思わぬようなパワハラが横行していたのです。そのように誰かが不幸になるような経営は、行ってはいけないのです。

 

 

荒木 恭司
島根電工株式会社 代表取締役社長

 

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荒木 恭司

幻冬舎メディアコンサルティング

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