不動産開発業者の債務懸念が連日、株式相場を圧迫。ハンセン指数は5日続落 (画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

中国は4〜6月期GDPを発表。都市封鎖の影響が顕著に

中国国家統計局が発表した22年4~6月のGDPは、前年同期比0.4%増と市場予想の1.5%増から大きく下振れた。新型コロナ感染拡大による都市封鎖が経済活動を停滞し、成長率を減速させた。都市別では北京市が前年同期比2.9%減、3月下旬から5月末までロックダウンを実施した上海が同13.7%減、感染が拡大した吉林は同4.5%下落した。

 

 

今回の統計データを前に、一部の参加者からはマイナス成長に落ち込むのではとの示唆もされていたが、今期の成長率は四半期統計の公表を始めた以降で、初のマイナス成長に落ち込んだ20年1Qに次ぐ低い水準となった。

 

前期比ベースでも2.6%の減少と4月、5月の消費低迷や、原材料価格の高騰なども影響して非常に厳しい数字になったと考えられる。

 

一方で、6月からのデータには改善もみられた。同日に発表された6月の小売売上高は前年同期比3.1%増加し、3ヵ月続いたマイナス成長からプラスに転じた。鉱工業生産指数についても同3.7%と回復基調が伺える。

ゼロコロナ政策と不動産市場が、経済回復の足かせに

 

習近平国家主席は、感染拡大を徹底に抑え込むゼロコロナ政策を維持する政策を、当面は続ける方針であり、7月に入っても大規模な検査の実施のほか、市民の行動規制を続けている。

 

経済回復に深刻な影響を与えることは当然のことだが、中国当局は相次ぐ経済対策と金融緩和の発表を通し、政府が掲げる22年の目標成長率の達成を目指す。米銀大手のゴールドマンサックスは15日、第二四半期の発表を受けて22年の成長率を従来の4.0%から3.3%に引き下げた。

 

また経済成長の足かせとなっているのが中国不動産市場である。中国全土では不動産開発会社が資金繰りの影響などで建設プロジェクトが中断され、建設工事が延期する事態が相次いでいる。

 

これらの背景も不動産投資をはじめ不動産需要の減速につながっている。同日に発表された新築不動産価格はは前月比0.1%減、前年比0.5%減と月次ベースで10ヵ月連続の下落基調となった。

 

また上半期(1〜6月)の不動産投資は前年比5.4%減、不動産売上高は同22.2%減となった。中国不動産に対するセンチメンタルの回復は厳しく、市場の回復にはさらに時間がかかる可能性が高い。

 

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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    Wells Global Asset Management Limited, CEO最高経営責任者 国際金融ストラテジスト <在香港>

    京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)
    シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。

    2004年末に東京三菱銀行(現:MUFG銀行)に移籍し、リテール部門のマーケティング責任者、2009年からはアジアでのウエルスマネージメント事業を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。その後、独立して、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence(限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon WealthLimitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。

    2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset ManagementLimitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得して、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。(香港SFCCE No. BIS009)
    世界の投資機会や投資戦略、資産防衛にも精通。などを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。

    著者紹介

    連載国際金融ストラテジスト長谷川建一の「香港・中国市場Daily」

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