世話をしすぎる親たち…子どもを伸ばす親、潰す親の決定的な差 (※写真はイメージです/PIXTA)

粘り強く努力していれば、よほどの集団でない限り、その中で上位5%に入ることも夢ではありません。つまり、子どもがへこたれないように働きかける、いわば「環境づくり」が、親が果たすべき大事な役割の一つだということでしょうか。歯科医師の成田信一氏が著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)で解説します。

子どもの世話をしすぎるのが現代の親

今の子どもたちは、「すぐできそうにないこと」を「無理」と言ってしまっているのです。私は“自分の使っている言葉”はとても重要だと思っています。「無理」と言った瞬間に、「できなくてもいい」という思考回路が働くのではないかと考えるからです。

 

時間をかけてやればできることなのに、「無理」という言葉で、できないことにしてしまうなんて、とてももったいないと思いませんか。

 

時間をかけてやろうとしないのは、それこそ耐性がない、我慢することができない、あるいは我慢ということを知らないからでしょう。

 

簡単にあきらめてしまうというのは、「やり切ることができない」ということです。「粘り強さ」が欠落してしまっているのです。

 

粘り強く努力していれば、よほどの集団でない限り、その中で上位5%に入ることも夢ではありません。どういう分野でも、「無理」と思わずに継続して一生懸命やったら、そのくらいまで行ける……そういう感覚が重要だと思っています。

 

このように子どもがへこたれないように働きかける、いわば「環境づくり」が、親が果たすべき大事な役割の一つだと思います。

 

■追い込む環境をつくる

 

もう一つは、「追い込む環境をつくる」「子どもが自分でやらざるを得ない環境をつくる」ということです。これは、特に恵まれた環境にいる今の子どもたちには、主体性を身につけさせるという意味でも必要だと思います。

 

とはいえ、私自身、親という立場に立つと、子どもを追い込む環境をつくるのは難しいと感じます。

 

子どもが脱ぎっぱなしにしていた洋服を親が片づけるなど、追い込むどころか、世話をしすぎるのが、わが家を含め、現代の親の特徴ではないでしょうか。

 

やはり親子で暮らしていると、お互い甘えが続くので、どこかのタイミングで子どもを外に出してみるのは一案かもしれません。私の知人に、お子さんを国内留学させた人がいますが、そのお子さんは、私から見れば、見事に自立していました。

 

具体的には、家庭内の仕事をさせたり、家事を一緒にやったりするのもいいかもしれません。昔は、家の手伝いを子どもがする、兄弟の面倒を見るといったことは、当たり前のことでした。家の中での子どもの役割というのは、「お風呂の掃除は□□ね」「玄関は△△にお願いね」というように、決まっていたと思います。

 

ところがいつしか、親の側が「子どもは勉強だけしていればよい」「家の手伝いも別にする必要はない」という感覚になってしまったことから、歪んだ時代になってしまったように思います。

 

現代、特に東京など都市部では、何もかも揃っていて、必要なもの、ほしいと思ったものは、ほぼ例外なく与えられる、そんなある意味恵まれた環境が、子どもの自立を妨げているのではないでしょうか。

 

今、習い事をさせる親は多いと思いますが、むしろ、生活の中でできること……自分の下着は入浴時に必ず自分で洗うとか、お米を研がせるとか、そういったことを習慣づけて、自分のできることを一つずつ増やしていくことが必要なことといえそうです。

 

そして、そうした環境をつくるのが、今の親の務めなのかもしれません。子ども自身が、あまり考えなくてもなんとかなってしまう。そんな環境を変えてあげられたらいいのではと思います。

 

それはもしかしたら、究極的には「何も与えない」ことに行き着くのかもしれませんが。

 

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    自由が丘矯正歯科クリニック院長
    歯学博士

    1965年神奈川県生まれ。神奈川県立湘南高等学校卒業、東京医科歯科大学歯学部卒業、歯科医師免許取得、東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第1講座入局。同大学大学院博士過程修了、東京医科歯科大学歯学部付属病院第1矯正科勤務。
    1999年、東京・自由が丘に自由が丘矯正歯科クリニックを開設し院長に就任。「矯正治療は時間がかかる」という固定観念を根底から見直し、治療期間の短縮と痛みの軽減を追求したJETsystemを構築し、年々改良を重ねている。
    クリニック経営と並行して、JETsystemの普及を目指し、JETsystemの研究会を主宰。日本矯正歯科学会正会員、アメリカ矯正歯科学会国際会員、東京矯正歯科学会正会員、顎変形症学会正会員。2005年以降、日本矯正歯科学会大会、東京矯正歯科学会大会などで、矯正治療システムや症例発表を積極的に行う。
    3児の父として、自身の子どもを含め、日本の子どもたちが世界と対等に戦うことができる力を身につけてほしいと願い、子どもの人間性を育て、自立を促していくべく日々、情報を収集している。

    著者紹介

    連載「自分の力で生きていける力」を身につける方法

    ※本連載は成田信一氏の著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

    自分で考え、やり抜く子の育て方

    自分で考え、やり抜く子の育て方

    成田 信一

    プレジデント社

    今、日本も世界も激動の時代の真っ只中にあります。2020年以降、新型コロナウイルスの影響でどの国も鎖国に近い状態が続きましたが、落ち着きを取り戻す頃には、グローバル化の波がこれまで以上に強くやってくることになると予…

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