(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

米国雇用統計、中国物価統計の発表を前に、買い手不在

米国株価指数のS&P500が4日続伸、ハイテク比重の高いナスダック総合指数が4日間で5.2%上昇と景気減速への過度な懸念が和らいだことから、香港株式市場も朝方は高く始まった。

 

しかし、新規の材料に乏しく、米国雇用統計の発表を今夜、中国本土の物価統計(CPI・PPI)の発表を明日に控え、様子見気分から買い手不在により、株価は全般に下げた。ただ、中国政府の経済対策への期待感は相場を支え下値も底堅かったことは事実である。香港ハンセン指数は、前日比0.38%高で引けた。

 

個別銘柄では、Eコマース大手のアリババ(9988)は前日比3.5%高、同社株は200日移動平均線(119.7)を上回り、4ヵ月ぶりの高値水準となった。香港取引所(0388)は同1.4%、テンセント(0700)が同0.5%高、個別では6月の販売台数が最高となったEVメーカーのNIO(9866)は同5%高と上げが目立った。

 

セクターで目立ったのは中国のインフラ投資推進の恩恵を受けそうな石炭・エネルギー関連だった。石炭採掘の兗礦能源(1171)は同3.6%高、非鉄金属の洛陽欒川(3993)は同4.7%高、中国アルミ(2600)は同2.7%上昇した。

 

中国本土株では、上海総合指数がわずかに反落し、前営業日比0.25%安の3,356.08、CSI300は同0.33%安の4,428.78で引けた。

 

引き続き、中国本土の新規感染者数は6日連続で300人を超えるなど心理的リスクを抱え、上値は重く、動意の薄い金曜日の取引となった。
 

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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