(※写真はイメージです/PIXTA)

企業にとって重要課題の1つとも言われる資金調達は、今後の事業が上手くいくかどうかがかかっています。重要なのは、事業目的にあった資金調達方法を選ぶことです。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

クラウドファンディングで資金調達ができる

近年資金調達の手段としてクラウドファンディング(以下CrFと略)が注目されています。CrFのクラウドとは、群衆(Crowd)の意味で、多くの人が特定の目的のためにお金を出し合うことをいいます。

 

CrFの歴史は古く、ヨーロッパで書籍の出版のためにお金を集めるところから始まったとも言われています。近年は、インターネットを使って新商品開発や特定の目的のために資金を募る方法が流行しています。

 

この他にNPO・研究支援、地域振興支援、社会的弱者支援活動、音楽制作、映画製作、スポーツチーム支援等いろいろな活動があります。集まる金額は100万円程度〜数億円規模のものまで幅があります。

 

CrFには、(1)プロジェクトが提供する権利や物品を購入することで支援を行う購入型、(2)金銭的リターンのない寄付型、(3)金銭的リターンを伴う投資型があると言われています。投資型はさらに融資型、ファンド型、株式型に分類できます。

 

CrFでは、ファンドの目的と目標金額が示され、インターネット上にリアルタイムに集まった金額が表示され、目標額に対する過不足が一目で分かるようになっています。

 

SNS等を通じて友人・知人に資金提供を勧誘する方法も取られています。一方、運営側はサイト作製や調達活動支援のための費用を運営手数料(〜20%程度まで)の形で徴収しています。

 

目標金額に到達しなかったらキャンセルになるAll or Nothing型と集まった額だけ獲得できるAll in型があります。

 

2020年以降、新型コロナウイルスにより飲食店の営業時間短縮要請等で飲食店経営が苦しくなったため、飲食店応援プログラム等も実施されています。

 

以下、主なCrFサイトを紹介します。

 

(1)購入型

・READYFOR……日本初のCrFサービス。累計プロジェクト数16千件、累計支援額190億円(2021年3月時点)。公開されたプロジェクトの資金調達の成功率が高い。

 

・CAMPFIRE……2011年創業のプロジェクト成立件数国内No.1(4.8万件以上のプロジェクト立上げ、調達額総額400億円以上(2021年3月時点))。モノづくり・食品・カルチャーまで幅広いジャンルを扱っている。手数料17%。

 

・MAKUAKE……サイバーエージェントグループ。応援の気持ちを込めて行う「応援購入」という形態を取っている。地方自治体が地域興しで取り組むプロジェクトもある。掲載プロジェクト数1万件、応援購入総額200億円(2020年7月現在)。手数料は20%。

 

(2)寄付型……GoodMorning(社会課題解決を目指しCAMPFIREから分社独立)/FAAVO(地域特化型)等

 

(3)投資型……イークラウド(株式型)、Bankers(旧SBIソーシャルレンディング)(貸付型)、セキュリテ(ファンド型)等がある

 

資金調達を成功させるには、募集開始後の2日間が勝負ともいわれ、事前に友人・知人からの応援を募っておくのがコツとも言われています。これまでは難しかった個人による少額参加ができるようにしたのが特徴です。

 

ポイント
クラウドファンディングも資金調達手段の一つ

 

井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表

 

 

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

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