(※画像はイメージです/PIXTA)

強情なクライアントとは、時には押し問答のようになってしまうこともあるでしょう。そのような難しい局面を乗り切る交渉のポイントがあります。理不尽な要求をかわす交渉術とは。産業医の井上智介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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まずは相手の要求を聞いて、焦らず対応

このようにすることで、YES/NOの回答を避けながら、相手にも「一旦要求が受け入れられた」という印象を与えることができ、その場を丸くおさめられるはずです。

 

これが、「相手主体で交渉する」という意味です。

 

ちなみに、この交渉のしかたは、あなたが交渉を持ちかける場合にも有効です。

 

たとえば、納期を1週間遅らせてほしいと交渉するのであれば、まず相手の希望を引き出します。

 

「ミスなくお届けしたいので、細部まで確認が必要です。そのため納期を遅らせていただきたいのですが、いつ頃までお待ちいただけますか?」

 

本当に急を要する案件であれば、最初から納期厳守を要望されるはずですから、多くの場合は多少のゆとりがあるはずです。

 

しかし、最初からこちらの要求を押しつけてしまうと、それが相手の許容範囲を超えている場合、「めちゃくちゃなことを言う人だ」と思われてしまうでしょう。

 

あまりに無理な要求をして相手の心証を損ねてしまうと、仮にその時の交渉がうまくいったとしても、あなたに対する信頼は地に落ちてしまいます。

 

相手の許容範囲が、必ずしもあなたの希望と合致するわけではないと思いますが、その時は今一度、あなたのほうで努力できる部分がないか検討してみましょう。

 

たとえば、相手が「3日なら大丈夫ですよ」と言ったとしたら、

 

「可能であれば1週間延長いただければと思っていたのですが、それはさすがに難しいかと思いますので、5日遅らせていただけないでしょうか」

 

など、譲歩することが重要です。

 

あなたが先に譲歩する姿勢を見せることで、相手からも「もう少し譲ってあげようかな」という気持ちを引き出すこともできるでしょう。

 

めんどくさい人が相手でなくても、交渉は双方の歩み寄りが大事です。

 

まずは相手の要求をしっかり聞いて、焦らずじっくり対応していきましょう。

 

次ページ相手の承認欲求を満たす断り方もある

※本連載は井上基介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

井上 智介

日本能率協会マネジメントセンター

「仕事の悩みは人間関係が8割」だといいます。 職場ではさまざまな人と関わる必要があり、仕事の関係上、自分が人間関係を選ぶことも難しい。自分に都合の悪いことは無視する上司、融通がきかない部下、承認欲求が強く、自己…

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