日本の富裕層を悩ます「最高税率55%」の「相続税」。死亡日から10ヵ月で「現金納付」にも悲鳴の声【専門家が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

世界経済は大きく変動し、日本で長らくつづいた「デフレ」の時代は終焉、インフレと円安が同時に進行する時代が到来しました。シティバンクの東京支店及びニューヨーク本店の要職として活躍した、香港在住・国際ストラテジスト長谷川建一氏の著書、『世界の富裕層に学ぶ海外投資の教科書』(扶桑社)から一部を抜粋し、世界の富裕層を取り巻く経済環境変動と彼らの海外投資術を解説します。

日本の富裕層を悩ます、現金納付が必須の「相続税」

日本では「相続税」が課せられます。しかも最高税率は55%と重税であるため、3代目に承継される頃には、相続税の負担が重すぎて創業初代の築いた資産がゼロになってしまうとよく言われます。

 

日本の富裕層の富は、主に国内不動産や自社株(未上場株)で構成されています。これらの資産は流動性に乏しく、換金性が低いことが特徴です。

 

また、相続税の納付は、相続財産の所有者だった人の死亡から10ヵ月以内に現金で済ませないといけません。これはとても厳しいことです。借り入れしようにも、未上場の株は担保としての価値を認めてくれる金融機関はなかなかありません。長年の関係性を良好に保った場合のみ可能でしょう。

 

日本の富裕層は、相続・承継が発生した時に「資産にどういう課税が掛かるのか」をしっかりと把握しておく必要があります。

「相続税」の計算は複雑多岐。専門家との対策は必須

富裕層にとっては、資産を管理することはもちろん大切なのですが、保有する資産に課税される「資産課税」にも十分気をつけておかなくてはなりません。相続税、贈与税、固定資産税などが資産課税に当たります。

 

資産をうまく管理し価値を高めたとしても、資産に課税されることで大きな影響を被ってしまっては元も子もありません。

 

資産課税に対しては、ルールに則った対策を事前に講じることによって、負担する税額を圧縮したり、税務リスクをコントロールすることもできます。

 

実際、こうした対策を講じるかどうかで、大きな差が生じてしまうのも現実なのです。税理士など高い専門性を持つ専門家を入れて、しっかりと対策を講じておくべきでしょう。

 

日本の資産課税のなかで大きなウエイトを占めるのが「相続税」です。相続税は非常に大きな金額になることがありますので、富裕層は事前に財産の洗い出しと評価を行い、準備を進めていかなければなりません。

 

早く始めることは時間の無駄という考えの人もいますが、筆者の経験からは、準備と対策に時間をかけた人のほうが、結果としてはスムーズな相続と相続税納付に繋がっているといえます。

 

日本の相続税の計算は本当に大変です。土地なのか建物なのか株式なのか、相続資産によって算定方法や基準が異なるだけでなく、各種控除や特例などの制度も複雑です。

 

相続財産として何があるのかを洗い出し、状態を含めて把握して、その相続税評価額を算定しておくことをお勧めします。

 

特に、非上場株式や不動産が相続財産に含まれる場合には、注意が必要です。

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    Wells Global Asset Management Limited, CEO 国際金融ストラテジスト <在香港>

    シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。

    2004年末に東京三菱銀行(現MUFG銀行)に移籍し、リテール部門でマーケティング責任者、2009年からは国際部門に異動しアジアでのウエルスマネージメント事業戦略を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。

    その後、MUFG銀行を離れ、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence (限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon Wealth Limitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。

    2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset Management Limitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得し、最高経営責任者として、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。

    世界水準の投資機会や投資戦略、資産防衛に精通。個人公式サイトなどを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。(個人ブログ:HASEKENHK.com

    京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)、名古屋市生まれ

    著者紹介

    連載今すぐ役立つ、世界の富裕層が実践する海外投資術

    本連載は、長谷川 建一氏の著書『世界の富裕層に学ぶ海外投資の教科書』(扶桑社)から一部を抜粋し、再構成したものです。

    世界の富裕層に学ぶ海外投資の教科書

    世界の富裕層に学ぶ海外投資の教科書

    長谷川 建一

    扶桑社

    シティバンクグループのニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任し、日本に「プライベートバンク」を広めた第一人者である著者。現在は香港に自ら設立した『Wells Global Asset Management Limited』の最高経営責任者と…

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