(※写真はイメージです/PIXTA)

勉強というのは結局、反復練習の積み重ねです。要は、しっかり復習さえすれば、どんな子でも、必ずできるようになるのです。その一方で、途中で頑張ることをやめてしまう子もいます。なぜなのでしょうか。歯科医師の成田信一氏が著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)で解説します。

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「自ら気づく」ことが大事な理由

Aくんのお母さんは、お母さん自身が中学受験を希望していたのに、Aくんが不合格となると「こんなにお金をかけたのに」と、本人を前にして言ったそうです。この言葉がAくんの“最後まで頑張りきれない”気持ちを生み出していたのです。

 

お母さんは、Aくんのチャレンジを認めてあげるべきでした。

 

「こんなにお金をかけたのに」と言いたい気持ちもあるでしょうが、そこはぐっとこらえ、「人生は中学受験で決まるわけではないのだから」など、子どもが次のチャレンジに意欲的に向かうことができるような言葉をかけてあげるべきではなかったでしょうか。

 

■言ってはいけない「××やったの?」

 

Aくんの例のように、子どもの成長には、親がどういう態度で子どもに接し、どういう言葉をかけていくかが、大きく影響するのだと強く思います。学校や塾、予備校で習うことは、表面的なことです。しかし、親は子どもと毎日顔を合わせ、一緒に過ごしています。その親の思いや言動が子どもの育ちや成長に一番影響を与えるのであり、だからこそ最も大切ではないかと思うのです。

 

ところが、現実はどうでしょうか。私も3児の親ですから、そうはいってもなかなか理想通りにいかないことも実感しています。

 

そうした中でも、私が一番「やってはいけない」と考えているのは、親が子どもに「ちゃんと宿題やったの?」などと言うことです。どちらかというと、男親はあまり子どもにこうしたことは言わない傾向があると思いますが、お母さん方の多くは身に覚えがあるのではないでしょうか。

 

もちろん子どものためを思っての声かけではあることはわかります。しかし、そこをぐっとこらえて、見守ることがとても大事ではないかと思っています。

 

宿題をやらなかったことで先生に叱られたり、勉強が遅れたりしても、それが人生における致命傷にはなりません。むしろ、「××やったの?」と、いつも親に言われることこそが、子どもから自主性、自律性を奪うことになってしまい、わが子のこれからの人生の致命傷になり得るのではないか、と私は考えます。常に誰かの指示を受けないと動けない人間になってしまう恐れがあると思うからです。

 

「××やったの?」

 

と親に言われないことで、宿題を忘れることが度重なるかもしれませんが、何度も何度も繰り返しているうちに次第に「自分は何が苦手なのか」「自分は何に気をつければよいのか」が、自らわかるようになるはずです。

 

人にチェックしてもらうのではなく、この「自ら気づく」ことが、非常に大事だと思うのです。そうでないと、誰かの指示がないと動けない人間になってしまいます。

 

次ページ「子どもに干渉しすぎない」親の我慢

※本連載は成田信一氏の著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

自分で考え、やり抜く子の育て方

自分で考え、やり抜く子の育て方

成田 信一

プレジデント社

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