夏から秋には、例年、手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱(アデノウイルス感染症による咽頭結膜熱)が流行します。これらの病気の名前を聞いたことはあるかと思います。今回は、特に子どもに流行するこの3つの疾患について、症状・治療法・ホームケアなどの予防法をみていきます。
子どもの三大夏風邪「手足口病」「ヘルパンギーナ」「プール熱」原因と対処法【小児科医の解説】

2歳未満に多い「ヘルパンギーナ」と「手足口病」

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まずは、ヘルパンギーナと手足口病の2つについて解説します。

 

手足口病とは、名前の通りに手・足・口の中に水疱が生じる、夏かぜ(ウイルス感染)の1つです。その多くは5歳くらいまでの子どもがかかり、感染者の約半数は2歳以下です。数年前の大流行時には学童から若い世代の成人にまで流行したことがありました。

 

一方でヘルパンギーナは、より年齢が低いお子さんに、急激な発熱により発症します。また、口の中に水疱が生じるため、食事をすることにより痛みが生じるため、食事や水分の摂取が困難になることがあります。

 

症状の観点として、ヘルパンギーナと手足口病の共通している点としては2歳未満が多いこと、潜伏期としては2~3日程度であること、年齢が低い子どもの場合では発熱を生じることが多いことが特徴です。

 

両者の違いとしては、ヘルパンギーナでは低年齢のお子さんで突然高熱を出す傾向が多いこと、手足口病では口の症状のみではなく、手・足にも水疱が生じることがあります。

「ヘルパンギーナ」と「手足口病」の原因と注意点

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ヘルパンギーナも手足口病も、原因となるウイルスはコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71などのエンテロウイルス属です。感染力はどちらも比較的強いため、咳やくしゃみ、また便など存在するウイルスから感染します。

 

このため、集団生活を行う保育園・幼稚園などで流行する傾向があります。感染力が強い時期は発熱時から解熱して24時間までとされております。成人への感染はほぼないとされておりますが、体調不良や寝不足などで免疫低下時には感染して症状が出る場合がありますので、お子さんのケアをするときには注意が必要です。

 

また、エンテロウイルスは便を介しても感染するため、子どものおむつを交換するときにも、手袋などをした感染対策が必要です。 ヘルパンギーナ・手足口病には、予防するワクチンがありませんし特効薬もありません。

 

近年では、新型コロナウイルス感染症対策として、マスク、手洗い・うがいなどの感染対策を行う傾向がありますが、標準的な予防対策がこの疾患に対しても重要です。

 

ヘルパンギーナ・手足口病の登園停止の期間は定められておりませんが、解熱して少なくとも24時間を経過し、食事がとれて元気になるまでは自宅での安静が推奨されます。