(※写真はイメージです/PIXTA)

「認知症、まだ大丈夫と思いたい。でも、知っておけば準備できる。」高齢者認知症外来・訪問診療を長年行ってきた専門医・近藤靖子氏は、書籍『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』のなかで記憶のしくみについて解説しています。

「記憶力が良すぎても」夜寝ようとすると…

逆に、記憶力がとても良い人の生活はどうでしょうか。何でも記憶しているので、とても便利でうらやましい感じがします。ところが、実際はそうではないようです。

 

稀に一日中の出来事をすべて覚えている人がいるようですが、すべてのことに関する細部の記憶がはっきりとよみがえってしまうため、全体をすっきりとまとめることができないそうです。また、夜寝ようとすると、頭の中に朝起きた時からの一部始終を思い出してしまい、なかなか寝付けなかったりするそうです。

 

そうすると、程よく忘れることも、生活を快適にする能力の一つのようです。そうは言っても、普通の記憶力の人間にとっては、記憶力を高めたい場合もあります。そのためには、何度も繰り返し練習することが大切です。練習を繰り返し何度も刺激を与えることによって、神経細胞同士の連絡(シナプス)が広がり、より強固になるそうです。

 

この効果に関しては、ノーベル賞級の研究者たちが、ヒトやいろいろな動物で実験した膨大なデータがあるので保証付きです。年だからとあきらめず、繰り返し自分の神経回路を鍛えて記憶力を伸ばしましょう。

 

 

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近藤 靖子

和歌山県和歌山市に生まれる。京都大学医学部および同大学院卒。 医療に関しては麻酔科、眼科、内科、神経内科、老年内科の診療に従事。1994年家族と共に渡米し、オハイオ州クリーブランドのクリーブランドクリニックにて医学研究を行う。 その後、ニューヨーク州ニューヨーク市のマウントサイナイ医科大学、テキサス州ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターにて医学研究に従事。 2006年末に帰国し、2008年千葉県佐倉市にさくらホームクリニックを夫と共に開院し、主に高齢者医療を行う。

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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