(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、「慢性炎症」が慢性疾患の発症と深く関係していることが分かってきました。今回は慢性炎症の防御・発生に大きく関わる「腸管のバリア機能」について詳しく見ていきましょう。※本稿は、小西統合医療内科院長・小西康弘医師並びに株式会社イームス代表取締役社長・藤井祐介氏との共同執筆によるものです。

リーキーガット症候群で起こる病態

■腸管のバリア機能が低下すると、全身にわたるさまざまな症状が現れる

リーキーガットと関連して起こる病態としては、代表的なものでも図表4に挙げたようなさまざまな疾患があります。

 

今回はそれぞれについては説明しませんが、単にお腹の調子が悪いとか便通が悪いとかいった症状だけではなく、全身にわたるさまざまな症状や病態がリーキーガットとの関連が指摘されています。

 

そして、大切なことはリーキーガット症候群が起こっている状態では腸管ディスバイオーシスも起こっているということです。表面的にリーキーガットの治療だけをしてもダメで、根本的に腸管ディスバイオーシスを含めて整える治療を行わないといけないということを意味します。

 

[図表4]リーキーガット症候群が関係していると言われる病態

 

さらに病名がついている場合に限らず、これまで「自律神経失調」とか「心身症」、「身体表現性障害」などという曖昧な病名がつけられてきた症状もリーキーガット症候群、あるいは腸管ディスバイオーシスが関係している場合があります。

 

これまで当院で診察してきただけでも、上記のような曖昧な診断をつけられ、曖昧な対症療法しか行われてこなかった人で、根本的に腸内環境や身体のバランスを整えることで、まったく症状がなくなるという人がたくさんいるということを一人でも多くの人に知っていただきたいと思います。

 

これらの疾患や病態には、どれもその根本的原因に対しての治療は行われていません。対症療法の薬を出されたり、表面的に免疫を抑えるステロイドを投与されたり、あるいは、診断がついた時点で、治療法がないと宣言される疾患が多いのです。しかし、腸管ディスバイオーシス、リーキーガット、慢性炎症という観点から病態を見直すことによって、根本的治療を行う可能性が出てくるのだということを知っていただきたいと思います。

 

 

小西 康弘

医療法人全人会 小西統合医療内科 院長

総合内科専門医、医学博士

 

藤井 祐介

株式会社イームス 代表取締役社長

メタジェニックス株式会社 取締役

株式会社MSS 製品開発最高責任者

 

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