UX(ユーザーエクスペリエンス)の時代へ!
近年における人々の消費行動の変化を示すものとして「モノ」消費と「コト」消費という一対の言葉が広く使われています。
「モノ」消費とは、モノそのものの価値を重視した消費スタイルです。戦後、冷蔵庫や洗濯機、白黒テレビの“三種の神器”や乗用車、クーラー、カラーテレビのいわゆる3C商品が消費者の憧れの対象となったのは、「モノ」消費の典型的な志向のあり方を示すものといえます。
一方「コト」消費とは、「コト」から得られる経験や満足感などに対して対価を支払う消費者の行動様式です。コンサート・イベントへの参加や演芸の鑑賞などがその具体例になります。
現代では「モノ」自体の価値や機能だけをアピールして売ることは難しくなっており、消費者の価値観は「モノ」消費から「コト」消費へと移行しているといわれています。別の言い方をすれば、人々が「物質的なモノ」よりも「精神的な満足」を求める傾向が強まっているのです。
このような消費者の嗜好の変化を背景として、現在を「UX(ユーザーエクスペリエンス)の時代」と呼んでいる識者もいます。
ユーザーエクスペリエンスとは、ユーザー(利用者)が製品やサービスから受ける価値のある体験を示す概念です。企業の側からいえば、ユーザーにとって望ましいUXを得られるように製品やサービスを企画し、デザインすることが強く求められているといえるのです。
◆「モノ」消費から「コト」消費へ
下図のように、提供価値は、従来の「モノ」の機能から、ライフスタイルやストーリー性のあるコンテンツにまつわる、「コト」に移行してきている。
木下 雄介
カッティング・エッジ株式会社 代表取締役
中小企業診断士
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