(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資の初心者にしばしば見られるのが「値段が少し上がっただけで売る」「値段が下がっているのに売らない」という行動です。投資家として生き残っていくためには、心理学的にも説明できるこれらの行動について理解したうえで、「取るべき選択肢」を知ることが重要です。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

過去に引きずられず「未来志向の意思決定」をしよう

「1,000円で買った株が800円に値下がりしたのですが、どうしたらいいですか?」

「500円で買った株が800円に値上がりしたのですが、どうしたらいいですか?」

 

上記の質問には、筆者なら「あなたがいまから新しく投資をするとして、その株を買いますか?」と聞き返します。

 

「その株、800円から値上がりすると思いますか?」という質問でもいいのでしょうが、「その株も魅力的だけれど、さらに魅力的な株がある」場合は、売ってそちらに乗り換えるべきでしょうから。

 

買った値段がいくらであるかは関係ないのです。買った値段のことは忘れ「今後自分が金持ちになるためになにをすべきか」ということだけを、未来志向で考えればいいのです。

 

そこで筆者は、毎朝持っている株を全部売り、新しく投資をすることを勧めています。もちろん、本当に売るのは手間とコストがかかりますから、全部売ったつもりになる、ということですが。そうすれば、過去に引きずられずに未来志向の意思決定ができるでしょう。

「損切り」と「狼狽売り」は、明確に区別をつけて

株価が大幅に下がったときには必ず損切りする、と決めるのも一案です。そうすれば、損切りが遅すぎるという失敗は避けられますから。損切りをしたあとで、冷静になって同じ銘柄を買い戻す場合もあるでしょうが、その程度の手間と手数料は失敗を避けるコストだと考えればよいでしょう。

 

損切りをするもうひとつの理由は、損が嵩むと冷静な判断ができなくなるので、とりあえず保有株を売って冷静になる、ということです。しかし、売らずに冷静になれるなら、それがいいに決まっています。

 

損切りが遅れるリスクと並んで初心者が注意すべきなのは、「株価が暴落したときに狼狽売りする」ことです。株価が暴落するときは、さまざまな力が作用して値段が下がりすぎる場合があります。そんなときに狼狽売りをしてしまってはもったいないからです。

 

「損切りをしろ」「狼狽売りをするな」といわれると混乱するかもしれませんが、平均株価の暴落の場合は様子を見る一方で、個別銘柄の暴落の場合は損切りをする、というのが確率的にはいいのかもしれません。そのあたりについては拙稿『【株価暴落の恐怖】周到な投機家・呆然の投資初心者…過酷な状況を乗り切る方法は?』も合わせてご覧いただければ幸いです。

 

本稿は以上ですが、投資は自己責任でお願いします。なお、本稿は筆者の個人的見解です。また、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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