狭心症に対する内服治療
■高脂血症治療薬
不安定型狭心症の安定化や長期的にはプラーク退縮が期待されています。
■冠動脈拡張薬
狭窄領域の血流供給を増やします。全身の血管を拡張させ心臓の負担を減らします。
■抗血小板薬
狭窄部に生じる血小板血栓を防ぎ、血流を維持します。
どのような人が「動脈硬化」を発症しやすいか
動脈硬化の関連因子として肥満度が挙げられます。肥満度を測るBMI(肥満指数)の算出方法は[図表4]のとおりです。
BMI値の標準値は22とされており、この値が肥満でも痩せすぎでもなく、健康的に生活ができる理想値とされています。
体重・血圧・脂質・血糖(HgA1C)は自覚症状に乏しく、サイレントキラーと呼ばれているものです。これら危険因子は、体重管理により、改善や治癒が期待できます。なお、図中の値は健康診断の判定基準を参照しました。
■血圧
家庭血圧を用いた場合。冠動脈疾患では135/85mmHg以下を、糖尿病合併では125/75mmHg以下を目指します。ちなみに体重10kgの減量で収縮期血圧10mmHgの低下が望めます。
■脂質異常
冠動脈疾患での悪玉とされるLDLは70mg/dL以下とされ、下限はなく、低いほど効果的とされます。
■糖尿病
合併症の網膜症・腎障害・神経障害はHbA1Cに影響されますが、冠動脈疾患は境界型糖尿病に影響されます。境界型糖尿病(空腹時血糖110~125mg/dL)はけっして軽症型ではありません。この時期からすでに冠動脈疾患の危険因子として暗躍しているのです。
狭心症患者は危険因子のいくつかを合併していることが多いことから、さらに厳格な調整が必要となります。
狭心症は症状を自覚した時が発症時期ではありません。長い潜伏期間があり、初期の段階で発見することは難しい病気です。自覚症状の無い時期こそ定期的に健康診断をうけ、異常を修正するように努力しましょう。
野池 博文
森山記念病院
内科部長
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